新選組・近藤勇直 掛軸
幕末の京都で活躍した新選組局長、近藤勇(1834ー68)直筆の掛け軸が京都市内で見つかった。「英雄」を主題に自作で記した漢詩の掛け軸。活動資金調達のために豪商らから金を借りる際にお礼として書いたものと見られる。近藤直筆の掛け軸は数点しか見つかっていない。
http://mainichi.jp/tanokore/column/hioki/003725.html?inb=yt
【コラム 新選組(上)】近藤、土方、井上の源流を訪ねる
掛け軸は縦196cm、横63cm(書は縦136cm、横60cm)。市内の美術店が2008年に大阪府内で入手して所蔵していたものを今月、広島県尾道市の医師が購入した。幕末を中心とした歴史博物館「霊山(りょうぜん)歴史館」(京都市東山区)に持ち込まれ、木村幸比古・学芸課長(幕末史)が筆跡や落款(らっかん)などから真筆と判定した。書の詳しい内容は未解明。「英雄」に対する心情を記し、最後に「剣客士 近藤書」と書かれている。
木村課長によると、近藤らが関東から入洛した文久3(1863)年頃に書かれた掛け軸(東京国立博物館所蔵)と形式などが似て同時期の書と見られる。同年、近藤らは武功を評価されて「新選組」の名を与えられ、倒幕運動の過激派志士の取り締まりに従事。大阪や京都の豪商らから強引に金を借り、こうした書を残すことがあったという。
木村課長
「漢学者の頼山陽の書を好み、真似をしていた近藤の筆跡に間違いない。憧れの武士となって意気揚々としていた当時の近藤の様子が伝わってくる。」