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「鳴虎図」 京都・報恩寺で公開 

 豊臣秀吉ゆかりの掛け軸「鳴虎図」が、京都市上京区の報恩寺(京都市上京区小川通寺之内)にて期間限定で一般公開される。

 豊臣秀吉が持ち帰ったものの、激しい鳴き声のせいで眠れず、翌朝には寺に返したという逸話がある掛け軸。11月2日から11日まで京都市上京区の報恩寺で一般公開される。


 15世紀の中国の明で描かれた縦160cm、横102cmの絹製。後柏原天皇から同寺に下賜され、秀吉が一目見て気に入ったとされる。


 毛の一本一本が浮き出るように描かれた虎が体をくねらせて水を飲んでいる。普段は12年に一度、とら年の正月三が日のみ公開されてきた。さらに通常は非公開の13世紀の重要文化財厨子入千体地蔵尊」も同時に公開される。

 
 重要文化財である「厨子入木造千体地蔵菩薩像」は通常、京都国立博物館に寄託しており、寺での公開は初。高さ13・5cmの木製の岩山に、950体以上の地蔵菩薩の小像が刻まれている。13世紀中頃の鎌倉時代の作とみられ、彫刻師の技術の高さを示している。

 千体地蔵菩薩像は、岩山の斜面に地蔵菩薩が並ぶ構図。針葉樹から造った岩山の中央に中尊像(像高3・3cm)を置き、ビャクダンとみられる木を刻んだ小像を配置している。怒りの形相の閻魔王と冥官もある。千体地蔵菩薩像が納められていた厨子(高さ19・6cm)も展示する。


 京都古文化保存協会の「秋の非公開文化財特別公開」の一環。11日までで拝観料800円。