大内氏館跡(山口市大殿大路)の発掘調査
Sankei 25日
山口市教育委員会は24日、国の史跡に指定されている大内氏館跡(山口市大殿大路)の発掘調査で、4例目となる庭園跡が発見されたと発表した。地表から約80センチ掘り込んでつくられた「枯山水庭園」とみられ、出土した土器などから16世紀前半に造られたとみられている。
新たに発見された庭園は、平成4年に発掘された池泉庭園の北側部分に位置し、南北約12・5メートル、東西9メートル以上の広さがある。庭園は地表から約80センチ掘り込まれており、護岸石や立石を配して滝や岸辺を、直径10センチ前後の平玉石を敷きつめて、水面や水流を表現した「枯山水庭園」とみられている。
なぜ地表を掘り込んで作庭されたかは分かっておらず、「他に類例がない庭園跡」(同教委)という。今後、専門家のアドバイスを受けながら調査を進める。
大内氏館跡は、室町時代に西国を支配した守護大名、大内氏の本拠地に築かれた広大な館で、弘治3(1557)年の大内氏滅亡とともに廃絶、毛利氏によって跡地に現在の龍福寺が建立された。
発掘調査では、このほか石組の水路なども発見されており、同教委は11月10日午前10時から正午まで現地説明会を開催する。