Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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こども展 名画にみるこどもと画家の絆

artscene2014-05-13



モネ、ルノワール、ルソー、マティスピカソなど錚々たる画家48人の巨匠たちが、画家としてだけではなく、親として我が子を、あるいは身近な子どもを描いた愛情と温かみ溢れる肖像画、全87点が一堂に集います。


こどもと画家の絆

六本木ヒルズ×こども展

こども展 名画にみるこどもと画家の絆

モネ、ルノワール、ルソー、マティスピカソなど錚々たる画家48人の巨匠たちが、可愛らしい子どもたちをモデルに描いた作品をご紹介。彼らはカンヴァスにどんな想いを刻み、描かれた子どもたちはそのとき何を想ったのか。作品に秘められたそんな両者の想いや絆に迫ります。オルセー美術館オランジュリー美術館は勿論のこと、世界的にも有名なルーヴル美術館、マルモッタン・モネ美術館、そして画家の遺族が大切に所蔵し、美術館でも見ることのできないプライベートコレクションからの作品の数々が出展します。しかも、作品のおよそ3分の2は日本初公開という、この貴重な展覧会をどうぞお見逃しなく。


【作品到着遅延のお詫び】
ジョルジュ・アルディッティ作《家族の肖像》(作品番号12)は、輸送上の都合により日本への到着が遅延しています。作品の到着まで複製パネルを展示し、到着次第、展示いたします。ご来場の皆様には心よりお詫び申し上げます。

開催期間 2014年4月19日(土)〜6月29日(日) 会期中無休


森アーツセンターギャラリー


開館時間 10:00〜20:00
火曜日は17:00まで。
入館は閉館30分前まで


Fee 料金 【入館料】
一般 ¥1,500(税込)
大学生 ¥1,200(税込)
中・高生 ¥800(税込)

障がい者手帳をお持ちの方と介助者(1名まで)は、当日入館料が一般¥750(税込)、大学生¥600(税込)、中・高生¥400(税込)となります。
団体券は展覧会会期中に、森アーツセンターギャラリーで発売します。
団体料金は15名以上で適用されます。
小学生以下無料。


展覧会構成


序章:
ルイ=レオポルド・ボワイー
ルイ=レオポルド・ボワイー 《私の小さな兵士たち》 1809年 ドゥエー、シャルトルーズ美術館 Inventory No.: 2043 Photo: Hugo Maertens s

西欧諸国で子どもの肖像が描かれるようになったのは意外と遅く、16世紀(ルネサンス)あたりからでした。子どもは芸術作品の主題にふさわしくないと考えられていました。かつて、ヨーロッパでは、子どもは「小さな大人」「未完成な大人」として考えられおり、現代に生きる私たちにとっては、少し意外なことですが、大人と区別された「愛すべき子ども」という現在のような概念が出来たのは、18世紀に入ってからであると考えられています。
19世紀に入ると、子どもは未熟な人間でも「未完成の大人」でもなく、夫婦間をつなぐ絆、架け橋と見なされるようになりました。「親が描く子どもの肖像」という本展のテーマは、こうした変動する社会がもたらした果実といえるでしょう。まるで子どもたちの大行進のようなこの展覧会では、19世紀初めから20世紀後半までの約200年の間に描かれた87点の作品を紹介します。まずは、レオポルド・ボワイー、アントワーヌ・バリー、カミーユ・コロー、マリー・デュブッフが描いた子どもたちの絵から紹介します。



第1章:家族
クロード=マリー・デュビュッフ
クロード=マリー・デュビュッフ 《デュビュッフ一家。1820年1820年 ルーヴル美術館 © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Gérard Blot / distributed by AMF - DNPartcom

19世紀のフランスでは富裕な市民階級の台頭と共に、子どもは「子ども王様(アンファン•ロワ)」と言われるようになり、文字通り家族の中心となっていきます。
この章では、19世紀から20世紀末に至る画家の家族の肖像を紹介します。貴族から市民階級の子どもまで、家族の絆や子どもへの思いやりという新たな視点を背景に、次第にかつてないほどに幅広い層の子どもたちが描かれていくことを物語っています。



2章:模範的な子どもたち

アンリ・ルソー 《人形を抱く子ども》 1904-05年頃 オランジュリー美術館 © RMN-Grand Palais (musée de l'Orangerie) / Franck Raux / distributed by AMF - DNPartcom



アンリ・ジュール・ジャン・ジョフロワ 《教室にて、子どもたちの学習》 1889年 パリ、フランス国民教育省 © RMN-Grand Palais / Jean-Gilles Berizzi / distributed by AMF - DNPartcom

この章では1880年代から第一次大戦が始まる1914年頃までの、パリを中心とする華やかなベル・エポック(良き時代)時代の作品を紹介します。近代以降、我が子を描いた絵が急増するのは、身近なモデルであるということだけでなく、成長過程を目に見える形で記録したいという親の思いもあるのでしょう。子どもの肖像はこの時期、ひとつの黄金時代を迎えます。
富裕な良家の市民層の子どもたちも多く描かれましたが、フランスの地方の宗教施設にいる孤児たちや、パリの労働者街の小学生の姿も描かれました。ここで展示されるモンヴェルやジョフロワの作品は、質素な環境の中で明るく元気に生きる子どもたちの生活そのものをいきいきととらえた歴史的な記録とも言えるでしょう。



3章:印象派

ピエール=オーギュスト・ルノワール 《ジュリー・マネの肖像、あるいは猫を抱く子ども》 1887年 オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF - DNPartcom


クロード・モネ 《玉房付の帽子を被ったミシェル・モネの肖像》 1880年 マルモッタン=モネ美術館 © The Bridgeman Art Library



日常生活を好んで描いた印象派を代表するルノワール、モネ、ベルト・モリゾなどが描いた子どもの作品を紹介します。主要なテーマや関心は風景に向かっていたモネですが、ジャンとミシェルの2人の息子を繰り返し描いています。モネとは対照的にルノワールは人物画を得意とし、自分や身近な人々の子どもも数多く描いています。妻アリーヌとの間に3児をもうけますが、ルノワールは子どもたちの成長記録でもつけるようにその肖像を繰り返し描いています。
画家マネの弟と結婚したベルト・モリゾは、1879年に誕生した一人娘のジュリーを自分の分身、あるいはそれ以上でもあるかのように繰り返し描いています。この章では、母ベルト・モリゾや、ルノワールに描かれたジュリー・マネが後に画家となり描いた、ルノワール風の甥の絵など、ジュリーと印象派の画家達の絵画に込められた絆を感じることができる作品をコーナー展示で紹介します。



第4章:ポスト印象派ナビ派
モーリス・ドニ 《トランペットを吹くアコ》 1919年 個人蔵 © Archives du catalogue raisonné MD Photo: Olivier Goulet



「ポスト印象派」を代表するセザンヌや周辺の画家、ベルナールが描いた子どもの作品や、ゴーギャンの流れをくむ「ナビ派」の作品を紹介します。
ナビ派の中でも、ボナール、ヴュイヤール、ドニは「アンチミスト」(親密派)とも呼ばれるように、親しみやすい日常の光景、特に室内画を得意とし、子どもの絵も数多く残しています。子煩悩として知られ、2度の結婚で10人近い子どもの父親でもあったドニの子どもへの愛情が素直に表現された作品は必見です。




第5章:フォーヴィスムキュビスム
フォーヴィスムキュビスムは20世紀初頭の代表的なアヴァン・ギャルド(前衛)運動で、それまでの絵の描き方を根底からくつがえし、美術のあり方に革命的な変革を起こしましたが、それ以降、肖像においてモデルに「似ている」ことはあまり意味がなくなってしまうのです。フォーヴィスムの指導的立場にあったマティスアンドレ・ドラン、20世紀最大の巨匠ピカソピカソの愛人のフランソワーズ・ジローなどの作品を紹介します。
ジローは画才に恵まれ、ピカソと競うように2人の子どもを描いてます。ピカソの絵と比較してみるのも面白いでしょう。



第6章:20世紀のレアリスト
オーギュスタン・ルーアール 《眠るジャン=マリー、あるいは眠る子ども第1番》 1946年 個人蔵 © Collection particulière Photo: 中村風詩人


子どもを描いた絵は印象派ナビ派の「黄金時代」の後、フォーヴィスムキュビスムシュルレアリスム、抽象芸術など、子どものテーマを必要としない20世紀の前衛的な芸術運動では姿を見せなくなりましたが、ここでは、これらの運動とは関係なく活動した、女流画家のレンピッカ、エコール・ド・パリのフジタ、キスリング、パスキンなど、新しく独創的な技法と伝統的な具象画の融合に成功した画家たちの作品も紹介します。
本章で紹介する、オーギュスタン・ルーアール(今回は伯父エルネストの作品も展示されています)、ル・ブルトン、アルディッティ、エンダディアンなどは、優れた子どもの肖像を残し、子どもの絵の歴史に新しい1ページを付け加えました。





主催
日本テレビ放送網/森アーツセンター/読売新聞社

企画支援 オルセー美術館オランジュリー美術館

特別協賛 木下工務店

協賛 大日本印刷/損保ジャパン・日本興亜損保

協力 エールフランス航空/日本通運JR東日本BS日テレ/CS日テレ/ラジオ日本

J-WAVE/InterFM/文化放送テレビ神奈川WOWOW

WEB http://www.ntv.co.jp/kodomo