Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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森美術館

論文募集―トラウマ&ユートピア
戦後から現代におけるアジア美術の相互影響関係について



主催:森美術館[東京]、テート・アジア太平洋リサーチ・センター[ロンドン]

日程:2014年10月9日(木)、10日(金)
会場:森美術館、東京(予定)

論文提出について

英語の場合250ワード、日本語の場合500字の論文要旨を、2014年5月16日までにお送りください。発表者に選ばれた方は、2014年9月9日までに論文を提出してください。

テート・アジア太平洋リサーチ・センター[ロンドン]ならびに森美術館[東京]は、アジアの戦後から現代における美術の実践と議論に関し、2日間にわたるインターナショナル・リサーチ・シンポジウムを開催します。今日、美術館活動のあらゆる側面において、学術的な調査研究の必要性が高まりを見せていますが、当シンポジウムは、こうした状況に対する両館の問題意識を反映したものでもあります。
各セッションでは、アジア圏域内でアーティスティックな領域を横断し、トランスナショナルに行われてきた実験的な芸術活動に、政治状況やテクノロジーの発展、あるいは自然環境の変化などがどのように反映されてきたかを紐解きます。それぞれの地域における地政学的な観点の変化にともない、人々の流れや経済的・文化的資本がいかに形成され、芸術的生産に影響を与えてきたのか。アジアのアーティストは各国の歴史や文化交流、インターナショナルな関心をいかに作品に反映してきたのか。20世紀から21世紀にかけての日本の芸術や文化を起点に、シンポジウムではアジア全体を視野に入れた相互影響関係について検証していきます。同時に、マルチメディアや領域を横断する表現を通して、異なる芸術ジャンルの交流についても対話や議論を深めたいと考えています。日本やアジアのアーティストがいかに現代を取り巻くさまざまな環境に対応してきたのか。テクノロジーの発展にともない、都市人口の増加や多様な環境問題などがアジア全域でパラレルに進行するなか、表現メディアの領域を問うことにどのような意味があるのか。

こうした課題を建築やファッション、デザイン、都市計画の分野での実践を通して考えます。

以上のような議論を深めることのできる論文を募集します。具体的には下記のようなテーマを対象にしますが、これに限定するものではありません。

都市環境:都市、自然とユートピア

・ アジア地域の物理的、地理的な特性が、美術、建築、デザイン分野の実践をいかに決定づけてきたか
・ 社会的、人口学的、人道主義的課題とその影響
・ 自然災害および環境問題の反映
・ 野心的あるいは空想的デザインを試みる場、社会を形作る場、未来を考察する場としての芸術的実践
・ 文化的生産にみる科学および技術的発展の影響
人間の身体:パフォーマンスとデザイン

ジェンダー、芸術的・政治的アイデンティティ
・ 場所やツールとしての身体、あるいは多様なメディアにおける芸術的研究主題としての身体
・ 領域を横断したデザイン・アプローチの結合する場としての身体
・ 身体とそれを取り囲む都市および自然環境との関係
アジアにおける日本、世界における日本:対立、協働、汎アジアへの貢献

・ 戦争、占領、革命、帝国主義、移動、移住への芸術的な応答
・ 芸術生産における記憶、主観性、パーソナルな物語、共有された物語
・ ラディカル・ポリティクスへの芸術的関与
・ 芸術生産における政治的文脈や社会的制限とその影響
パフォーマンス・アートと政治的プロテストとの関係性
・ 地域的あるいは国家的枠組みが指示する対象の耐久性
・ 文化的拡がりにおけるディアスポラの影響

論文要旨および略歴を、2014年5月16日(金)までに、下記の2つのアドレスまでお送りください。

論文発表(20分)は英語もしくは日本語となります。