Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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特別展みほとけのかたち −仏像に会う

artscene2013-08-02


http://www.narahaku.go.jp/



特別展みほとけのかたち −仏像に会う


平成25年7月20日(土)〜平成25年9月16日(月・祝)

仏像ブームと言われる昨今に、あらためて「仏像って何だろう」という問題を考えていく展覧会です。いろいろな仏像に出会いながら、仏像のすがた、かたちに込められた意味を読み解いていくものです。



仏像には色々な種類がありますが、普通の人間とは異なる、どこか超越的なすがたをしています。たとえば、独特の髪形や服の形、顔や手がたくさんあるもの、そして優しい顔や厳しい顔、恐ろしい鬼のような形相の仏像もあります。体の色が金色であったり、衣服に華麗な文様があらわされていたり、豪華な台座にすわったきらびやかな仏像もあります。



 この展覧会は、絵画や彫刻であらわされた仏像の「かたち」に注目しながら、仏像のもつ意味や、魅力の源をたどっていくものです。展示では仏像のすがたや、部分の形、素材などの外見的なところから、仏像制作の由来、仏像のもつ霊験、さらには仏像をとりまく世界を紹介し、仏像とは何かを改めて考えていただくものです。
 本展を通じて、多くの方がより仏像に対して関心を高め、仏像にこめた先人たちの思いと、その芸術性の深さに思いをはせていただければ幸いです。

http://www.narahaku.go.jp/exhibition/special.html

 
国宝 薬師如来立像 奈良・元興寺
              
会 期 2013年7月20日(土)〜9月16日(月・祝)
会 場 奈良国立博物館 東新館・西新館
休館日 毎週月曜日
※ただし8月12日(月)、9月16日(月)は開館
開館時間 午前9時30分〜午後6時
※入館は閉館の30分前まで
なら燈花会の期間のうち8月6日(火)〜14日(水)および毎週金曜日は午後7時まで開館






公開講座

◆ 8月3日(土)「曼荼羅の見方・考え方」
 小峰 彌彦氏(大正大学教授)


◆ 9月7日(土)「かたちから見た仏像の諸相」
  岩井 共二(当館学芸部教育室長)

トークセッション 「仏像模刻にかける青春群像!」
NHKETV特集でも紹介された仏像修復のプロをめざす若者たちと当館学芸部長の西山厚が仏像への思いを熱く語ります。


開催記念企画 夏休み 子ども教室 『香木のフシギ !?』
―― クイズで学ぶ〈みほとけのかおり〉 ! 香木の香り体験も ! ! ――
→ 終了いたしました
特別展「みほとけのかたち」の開催を記念して、夏休みの子ども達に特別教室をご用意しました。テーマは、古くから“みほとけに捧げる香り”として尊ばれてきた、世にも得がたい香木『沈香(じんこう)』。 そんな『沈香』にまつわるクイズや実験、実際に香りを味わう聞香(もんこう)体験に参加してみませんか?
◆日 程: 2013年7月28日(日)
◆時 間: 第1回 13:00〜13:30
      第2回 14:00〜14:30
      第3回 15:00〜15:30


夏休み
親と子のワークショップ 「ほとけさまの絵をかいてみよう!」
→ 終了いたしました
昔の人がいろんな願いをこめて作ったほとけさまのお像。
木で作るのは大変だけれども、ほとけさまをじぶんで紙に書いてみませんか?


◆日 程: 平成25年7月27日(土)
◆時 間: ①10:00〜12:00 ②14:00〜16:00 の2回
関連催事 「タイムカプセルを開く」


◆ 展示期間
7月20日(土)〜9月16日(月・祝)
◆ 展示場所
当館 地下回廊 東側(観覧者以外でもお入りいただける無料ゾーンです。)
※本人と分かるものをお持ちになった方には参加賞とタイムカプセル再会証明書をもれなく進呈します。
※詳しくはこちらへ[PDF,630KB]
ボランティア・デスク ボランティアによる質問対応を行います。
※詳しくはこちらへ                    
出陳品 出陳品91件(うち国宝5件、重要文化財42件)


◆出陳品一覧はこちらへ[PDF,175KB]                    
主催 奈良国立博物館
後援 文化庁奈良県奈良市奈良市教育委員会NHK奈良放送局
特別協力 読売新聞社
協力 JR東海奈良県ビジターズビューロー、奈良交通日本香堂仏教美術協会
チラシ チラシ(PDF 684KB)


◆展覧会の構成
第一章 みほとけのすがた
第二章 みほとけのしるし
第三章 みほとけのからだ
第四章 みほとけのなかに
第五章 みほとけの霊験[れいげん]
第六章 みほとけの住処[すみか]
第七章 みほとけの宇宙

◆主な出陳品

国宝 薬師如来立像 [やくしにょらいりゅうぞう]


《第一章 みほとけのすがた》
国宝 薬師如来立像 [やくしにょらいりゅうぞう]奈良・元興寺
木造 素地(現状) 像高 164.5cm
平安時代(9世紀)
両手先と螺髪[らほつ]以外は、台座蓮肉までカヤの一材から彫出する一木造[いちぼくづくり]。遠くを見はるかすような表情、肩幅の広い体格や腹から太腿部分にかけて量感を強調する表現により、強い存在感を放つ。
重文 馬頭観音菩薩立像 [ばとうかんのんぼさつりゅうぞう]


《第一章 みほとけのすがた》
重文 馬頭観音菩薩立像 [ばとうかんのんぼさつりゅうぞう] 京都・浄瑠璃寺
木造 彩色・截金 像高 106.7cm
鎌倉時代 仁治2年(1241)
正面・左右側面・背面に4つの顔をあらわす。どの顔も目をいからせ口を開くか閉じるかの忿怒[ふんぬ]の表情で顔を赤らめる。さらにそれぞれの顔の頭髪は頭上に逆立つ「炎髪[えんぱつ]」で、このほとけの「怒髪[どはつ]天を衝[つ]く」ような怒りをあらわす。人を畏怖させる顔は、敵や災いを打ち払う強い力を意味する。
国宝 阿弥陀如来像(阿弥陀三尊及童子像のうち) [あみだにょらいぞう(あみださんぞんおよびどうじぞう)]


《第二章 みほとけのしるし》
国宝 阿弥陀如来像(阿弥陀三尊及び童子像のうち) [あみだにょらいぞう] 奈良・法華寺
絹本著色 縦185.5cm 横146.1cm
平安〜鎌倉時代(12〜13世紀)
※展示期間:8/20〜9/16
親指と薬指で輪をつくった両手を胸前で合わせるという、奈良時代から平安時代初期に広まった古式の印相を表す阿弥陀如来像。縵網相[まんもうそう](指の間につく水かき状の膜)や千輻輪相[せんぷくりんそう](掌の輪宝形のしるし)という、ほとけが本来具えるとされる特別の手のかたちを表すのも、古い図像を典拠とする復古的な画像であることを示す。
重文 四天王立像 [してんのうりゅうぞう] 持国天像 重文 四天王立像 [してんのうりゅうぞう] 増長天像 重文 四天王立像 [してんのうりゅうぞう] 広目天像 重文 四天王立像 [してんのうりゅうぞう] 多聞天


《第二章 みほとけのしるし》
重文 四天王立像 [してんのうりゅうぞう] 4躯 京都・海住山寺
木造 彩色
像高 持国天36.7cm 増長天38.3cm 広目天36.5cm 多聞天35.8cm
鎌倉時代(13世紀)

鎌倉時代再興の東大寺大仏殿四天王像と姿や顔の色を同じくする。当初の鮮やかな彩色が残っており、世界の四方を守護する四天王の顔の色と方位の関係を当時のままうかがい知ることが出来る。像高が一尺程度の小さな像であるが、小像とは思えないほど迫力ある作風をみせる。
弥勒菩薩立像 [みろくぼさつりゅうぞう]
《第二章 みほとけのしるし》
弥勒菩薩立像 [みろくぼさつりゅうぞう]
奈良・林小路町自治
木造 金泥塗・截金[きりかね] 像高 106.5cm
鎌倉時代(13世紀)
 
全身が金色を呈する像。顔や肌などのやや鈍い光沢を放つ金色の部分は金泥[きんでい](金粉を溶いた絵の具)で塗られ、着衣は金泥の上にさらに文様を截金[きりかね](細く切った金箔を貼って文様を表す技法)であらわす。金属製の豪華な装身具や体にまとう別材製の天衣[てんね]も当初のもので、雲に乗って飛来する金色の弥勒菩薩が実在感をもってあらわされる。
国宝 十一面観音菩薩像 [じゅういちめんかんのんぼさつぞう]



《第二章 みほとけのしるし》
国宝 十一面観音菩薩像 [じゅういちめんかんのんぼさつぞう] 奈良国立博物館
絹本著色 縦169.5cm 横90.0cm
平安時代(12世紀)
※展示期間:7/20〜8/18
  
ほとけが坐る台座は、蓮弁の葉脈を截金[きりかね]線で表し、豊麗な暈繝[うんげん](グラデーション)で反花を彩るなど、豪華そのもの。一方、銀泥や銀截金を用いた竜胆[りんどう]唐草文で瀟洒[しょうしゃ]に荘厳される光背は、強い色彩を放つほとけの身体や台座を優しく包み込む。かつて奈良・法起寺周辺に伝来した、平安仏画を代表する名品。
伽藍神立像 [がらんしんりゅうぞう]



《第三章 みほとけのからだ》
伽藍神立像 [がらんしんりゅうぞう] 奈良国立博物館
木造 彩色 像高 56.3cm
鎌倉時代(13世紀)
 
頭と胴体は同じ材から造るが、両手足などには別材を矧[は]ぎ付けている。このような躍動感ある像を、もし丸ごと一材で造ろうとすれば、巨木が必要になるが、腕や足をつぎ足すことで、細かな材から造ることが出来る。鎌倉時代には動勢に応じた木寄せにより、躍動感ある彫像を作り上げる技術が発達した。
重文 釈迦如来坐像 [しゃかにょらいざぞう]



《第四章 みほとけのなかに》
重文 釈迦如来坐像 [しゃかにょらいざぞう]
奈良・東大寺
木造 素地 像高 29.2cm
鎌倉時代 嘉禄元年(1225)
嘉禄元年に海住山寺京都府木津川市加茂町)において、願主覚澄[かくちょう]の母の極楽往生を願って、仏師善円[ぜんえん]が釈迦如来を制作し、高山寺明恵[みょうえ]が開眼供養したことが、納入品の願文と像底の銘文によって分かる。つまりこの像に関する「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように」などの詳細な情報が分かる作例である。
重文 愛染明王坐像 [あいぜんみょうおうざぞう]



《第五章 みほとけの霊験[れいげん]》
重文 愛染明王坐像 [あいぜんみょうおうざぞう]奈良国立博物館
木造 彩色・截金 像高 26.2cm
鎌倉時代 建長8年(1256)
 
治承4年(1180)に戦火によって焼け落ちた東大寺大仏殿の取替柱を用いて造られた像。像を造らせた寂澄[じゃくちょう]は鎌倉時代西大寺を復興した叡尊[えいそん]の高弟である。叡尊は蒙古襲来の際に愛染明王に異国降伏を祈祷したことが知られ、真言律宗西大寺流が強く関与した尊像とみられる。光背・台座や彩色も制作当初のもの。
国宝 天寿国繍帳 [てんじゅこくしゅうちょう]



《第六章 みほとけの住処[すみか]》
国宝 天寿国繍帳 [てんじゅこくしゅうちょう]
奈良・中宮寺
絹 刺繍 長88.8cm 幅82.7cm
飛鳥時代 (7世紀)
※展示期間:7/20〜8/18
聖徳太子が薨じた後、その妃である橘大郎女[たちばなのおおいらつめ]の発願によって太子が往生したとされる天寿国の情景を刺繍で表した帳[とばり]の一部。鎌倉時代に複製が作られたが、それもやがて破損し、現在の姿は江戸時代に原本と複製の断片を任意に一つの面に貼り合わせたもので、色が鮮やかに残る部分が飛鳥時代の原本である。天寿国については、阿弥陀浄土とする説や弥勒浄土とする説がある。
国宝 両界曼荼羅(子島曼荼羅金剛界 [りょうかいまんだら(こじままんだら)こんごうかい] 国宝 両界曼荼羅(子島曼荼羅金剛界 [りょうかいまんだら(こじままんだら)こんごうかい] 部分



《第七章 みほとけの宇宙》
国宝 両界曼荼羅(子島曼荼羅金剛界 [りょうかいまんだら こんごうかい]・ 同部分 奈良・子嶋寺
紺綾地 金銀泥 縦352.6cm 横298.0cm
平安時代(10〜11世紀)
※展示期間:8/20〜9/16
大日如来を中心とする密教の宇宙観を描く両界曼荼羅は、胎蔵界[たいぞうかい]曼荼羅が宇宙観の理[り]を、金剛界[こんごうかい]曼荼羅が智[ち]を表す。諸仏菩薩に加えて太陽系の惑星や十二星座・星宿神[せいしゅくしん]も登場するなど図像として宇宙を示すのみならず、金銀のみほとけが紺地に煌[きら]めく様は、表現上も宇宙を想わせる。高価な材料を用いた、平安時代中期に遡る大幅の両界曼荼羅として貴重な名品。