「河口慧海と肥下徳十郎−堺の友への想い」
河口慧海 新資料を公開
堺が生んだ偉人 河口慧海の新たな歴史的資料を初公開
仏教の原典を求めて日本人で初めてヒマラヤを越えてチベットに入った、堺出身の河口慧海(1866〜1945)に関する資料が新たに発見されました。これらの資料を、平成25年1月23日(水)〜2月17日(日)の期間、堺市博物館および慧海が学んだ寺子屋・町家歴史館清学院で初公開いたします。
資料は、「無二の親友」として、慧海のチベット行きを物心両面で支えた、堺の実業家肥下徳十郎の子孫宅で見つかり、慧海直筆の日記・手紙・写真など(画像参照)21点にのぼります。
日記帳(画像参照)は、インドで2回目のチベット行きの準備をしていた慧海の日々の行動が記されています。頁の後半で中央部が四角く刳り抜かれており、遺書などを収めた箱を堺の肥下家に送った際に、鍵を入れた小箱を日記帳の中に隠して別送したものと考えられます。鍵を日記帳に隠したエピソードは慧海の帰国後のインタビュー記事によって知られていましたが、今回、実際に日記帳が発見され、この事実が裏付けられました。
資料は現在詳細調査を進めていますが、同時に発見された手紙類、吊文(弔文)などについても、故郷の親友に宛てたものであるだけに、今まで知られていなかった慧海の内面やチベット旅行前後の事情、故郷堺と慧海との関係などについて、新たな発見が期待できる貴重な資料であると考えられます。
■公開事業名称 特集展示
「河口慧海と肥下徳十郎−堺の友への想い−」
■日程 2013年1月23日(水)〜2月17日(日)
■会場及び開館時間など
○堺市博物館 1階展示場内
堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁 大仙公園内
TEL 072-245-6201/FAX 072-245-6263
【開館時間】午前9時30分〜午後5時15分(入館は午後4時30分まで)
【休館日】 1月28日(月)、2月4日(月)
【入館料】 一般200円(160円)、高校・大学生100円(70円)小・中学生50円(30円)
※( )内は20名以上の団体料金
※市内在住・在学の小・中学生は無料
※65歳以上の方および障害のある方は無料(要証明書)
【公開資料】鍵を隠した慧海直筆の日記帳、手紙、肥下徳十郎の死に際しての弔文、インドで撮影した写真
○町家歴史館 清学院
堺市堺区北旅籠町西1丁3番13号
TEL/FAX 072-228-1501
【開館時間】午前10時〜午後4時(入館は午後3時45分まで)
【休館日】 展示期間中は無休
【入館料】 100円(80円)
※( )内は20名以上の団体料金
※65歳以上の方及び障害のある方、中学生以下は無料(要証明書)
【公開資料】慧海直筆の手紙、インドで撮影した写真
■関連講演会
【日時】平成25年1月27日(日)午後1時30分から午後3時
【講師】奥山直司氏(高野山大学教授)
【演題】「河口慧海と肥下徳十郎」
【会場】堺市博物館 地階視聴覚室
【受付・申込】当日先着順100名、無料(入館料必要)、事前申し込み不要
関連情報
http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201301099237/
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堺市は9日、日本人で初めてチベットに入った同市出身の僧・河口慧海(えかい)(1866〜1945)がインド滞在中に記した日記帳や、書簡13通、写真など21点が見つかったと発表した。23日から来月17日まで、同市博物館などで一部を展示する。
慧海は1900年、原典に近い経典を求め、鎖国状態のチベットにヒマラヤを越えて潜入。帰国後に旅の様子をまとめた「西蔵(チベット)旅行記」は英訳され、国内外でベストセラーとなった。その後も仏典研究のため、インドやネパール、チベットを訪ねた。
資料は、幼なじみだった実業家・肥下(ひげ)徳十郎(1866〜1915)の孫(大阪府松原市在住)が保管。日記帳は縦20・5センチ、横13センチで、慧海が2度目のチベット入りを前にした13年、インド滞在中に使ったもの。約200ページのうち85ページは中央が長方形に切り抜かれていた。帰国後の15年の新聞記事に「チベットで命を落とすかもしれないので遺書などを箱に入れて肥下氏に送った。箱の鍵は日記をくりぬいて入れ、小包で送った」とあり、この日記帳とみられる。
チベット行きの際に肥下氏から様々な援助を受けたことがうかがえる書簡や、慧海が、当時のダライ・ラマ13世から下賜されたチベットの民族衣装を身につけた写真もあった。問い合わせは、市文化財課(072・228・7198)