Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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与謝野晶子 直筆原稿

artscene2013-01-10

歌人与謝野晶子(1878〜1942年)が岡山県倉敷市出身の詩人・随筆家、薄田泣菫(1877〜1945年)宛てに送った短歌103首の直筆原稿が9日までに見つかった。このうち16首は未発表の可能性が高いという。

 原稿はB4サイズの計12枚に黒インクでペン書き。短歌中の漢字には全てひらがなが振られている。欄外などに「紫影抄」「秋の薔薇」といった題名や、「与謝野晶子」の署名が添えられ、「一度にお載せ下さい」との朱書きもあった。
 
いずれも大正期の作で、大阪毎日新聞の編集者だった泣菫に新聞掲載用に送ったとみられる。掲載や全集収録を確認できなかった16首に「うばたまの髪煩はし身の中の焦がれ心はなほ煩はし」「君がこと浅間の嶽(たけ)のふもとなる落葉松(からまつ)の木が知るよしもなし」「縁(えん)にいで瓜をくらひて茶すすりぬ貧しき家も夏はよろしも」などがある。