Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

マックス・エルンスト―フィギュア×スケープ

artscene2012-05-09



マン・レイマックス・エルンスト
1935年頃
ゼラチン・シルバー・プリント、28.2×22.2? 、横浜美術館
Man Ray, Max Ernst, ca. 1935
Yokohama Museum of Art



http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2012/ernst/index.html


会期:2012年4月7日(土曜)−6月24日(日曜)
休館日:木曜日


開館時間:10:00−18:00(入館は17:30まで)
会場:横浜美術館(〒220-0012神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1)


主催:横浜美術館横浜市芸術文化振興財団・相鉄エージェンシー・三菱地所ビルマネジメント共同事業体)、
   「マックス・エルンスト―フィギュア×スケープ」展実行委員会


助成:財団法人地域創造


後援:横浜市、ドイツ大使館、フランス大使館、米国大使館


協力:日本航空みなとみらい線、横浜ケーブルビジョン、FMヨコハマ首都高速道路株式会社


■ チケット情報

観覧料:一般 1,200円、大学・高校生 800円、中学生 400円、小学生以下無料。

※毎週土曜日は、高校生以下無料(要学生証・生徒手帳)。

障がい者手帳をお持ちの方と介護の方(1名)は無料。






マックス・エルンスト(1891−1976)


略年譜
1891年 4月2日、ドイツ・ケルン近郊のブリュールに生まれる。
1914年 ハンス・アルプと知り合う。第一次世界大戦勃発により出征。
1918年 休戦により復員。ケルンに戻り、前衛芸術グループ創設に参加。
1919年 ミュンヘンパウル・クレーを訪問。アルプ、バーゲルトとともにケルンでダダ・グループを結成。
1921年 パリのオ・サン・バレイユ画廊でコラージュ56点による個展が開催されるが、エルンストは査証が得られず立ち会えない。
1922年 ドイツを出て、パリのエリュアール宅に転居。
1930年 コラージュ小説『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』刊行。
1934年 コラージュ小説『慈善週間』刊行。
1937年 ドイツにあった作品がナチに押収され、その一部が「退廃芸術展」に出品される。
1941年 ペギー・グッゲンハイムとニューヨークへ渡る。
1948年 アメリカ合衆国の市民権を得る。
1951年 故郷のブリュールで回顧展。
1953年 パリに戻る。
1954年 ヴェネツィアビエンナーレ絵画部門の大賞に選ばれる。
1958年 フランス国籍を得る。
1959年 パリの国立近代美術館で回顧展。
1961年 パリのル・ポワン・カルディナル画廊で立体作品の個展を開催。
1975年 ニューヨークのグッゲンハイム美術館とパリのグラン・パレで回顧展。
1976年 4月1日、満85歳の誕生日の前夜にパリで逝去。





●ワークショップ
1.「MAXに楽しむエルンストの芸術」

参加者が二人一組になってエルンストの用いた制作技法を体験し、あわせて対話による鑑賞を楽しみます。
(ペアの組合せは当日抽選で決めさせていただきます。)
日 時:5月13日(日)10:30~16:30(昼休1時間)
    5月20日(日)13:30~16:30の2日間
対 象:15歳以上(両日とも参加可能な方)
定 員:16名(抽選)
参加費:1,000円
締切日:4月23日(必着)
申込み方法:往復ハガキ
往信面に、参加するワークショップ名、〒、住所、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号を、返信面に、〒、住所、氏名を明記の上、〒220-0012横浜市西区みなとみらい3-4-1 「横浜美術館市民のアトリエ」宛に郵送して下さい。
2.「視覚に障がいのある人とない人がともに楽しむエルンストの芸術」

視覚に障がいのある人とない人が二人一組になって、エルンストの用いた制作技法を体験し、あわせて対話による鑑賞を楽しみます。
日 時:6月3日(日)10:30~16:30(昼休1時間)
    6月10日(日)13:30~16:30の2日間
対 象:15歳以上(両日とも参加可能な方)
定 員:視覚に障がいのある方6名、視覚に障がいのない方6名(抽選)
参加費:1,000円
締切日:5月1日(必着)
申込み方法:Eメール
住所、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号、Eメールアドレス、視覚障がいの有無、をご記入の上、下記のアドレスへお申し込み下さい。
申込みメールアドレス:yma-appli@yaf.or.jp
視覚に障がいのある方が、ご家族、お友達などとお二人でご参加になりたい場合は連名でお申し込み下さい。
(ペアの組合せは当日抽選で決めさせていただきます。)
●パネルディスカッション

本展を開催する、横浜美術館愛知県美術館、宇都宮美術館の各館で1回、計3回の連続パネルディスカッションを開催します。
第1回タイトル:「マックス・エルンストのフィギュアが意味するもの」
日 時:4月29日(日)14:00〜16:30
会 場:横浜美術館レクチャーホール
定 員:220名、参加無料、先着順
ゲスト・パネリスト:鈴木雅雄(早稲田大学教授)
登壇者:石川潤(宇都宮美術館主任学芸員)、副田一穂(愛知県美術館学芸員
パネリスト・司会進行:中村尚明(横浜美術館主任学芸員
●ギャラリー・トーク(本展担当学芸員
日 時:4月27日(金)、5月25日(金)、6月22日(金)
    いずれも14:00〜14:30
    参加無料、予約不要 ※当日有効の観覧券が必要です。
横浜美術館塾「夜の美術館でアートクルーズ」

閉館後に担当学芸員の解説を聞きながら、ご鑑賞いただきます。
日 時:5月9日(水)、6月6日(水)
    いずれも19:00〜20:45
定 員:各回40名、受講料4,000円(鑑賞券含む)
申込み方法:Eメール、先着順。横浜美術館塾のお申込み・お問合せは、yma-jyuku@yaf.or.jp、Tel: 045-221-0304へ。



マックス・エルンスト(1891-1976)は、これまでわが国では主にシュルレアリスムを代表する画家のひとりとして紹介されてきました。本展は、そうしたシュルレアリスムという枠を一旦外し、エルンストの作品を「フィギュア」と「風景」というモチーフから検証し直すことで、エルンスト独自の関心のありようを探り、現代の日本人にとってエルンストの芸術はいかなる意義をもつのかを明らかにしようとするものです。

エルンストの作品には、可愛らしい鳥や天使、あどけない顔の人物からグロテスクな怪物的存在まで、様々なフィギュア(像)が登場します。エルンストはまた、自らの内なる自我を鳥と人の合体した姿で作品中に登場させ、「ロプロプ」と名付けました。しかしその姿は、偶然にみつけた形を元にしているので常に変幻自在であると同時に、下地となる空間表現と強く結びついています。エルンストの空間とフィギュアは形態的にも、また意味内容的にも、密接な関係にあります。本展では「フィギュア×スケープ」という概念の下に「フィギュア」と「風景(または空間)」の関係を見極めながらその主題を読み解くことにより、エルンストの関心の独自性に迫ります。

現代の日本美術では、アニメーションやコミックなどのサブカルチャーにおけるイメージをバックボーンとして、様々な「キャラクター」としての人物像や動物像がひとつの潮流を作っています。複数の異なる媒体に登場したり、二次創作によって描き換えられたりしながら多様な姿を取るこれら現代的なキャラクターたちが孕[はら]む、固有性や同一性の問題は、実はマックス・エルンストの生み出したフィギュアと思いがけない共通点を持っているのではないでしょうか。本展では、このような視点の下、アートにおけるキャラクター的なフィギュアの生みの親としての一面にも着目し、エルンスト芸術の今日的意義を改めて見直します。

本展は、メニル・コレクション(ヒューストン)所蔵の《美しき女庭師の帰還》やポンピドゥー・センター(パリ)所蔵の《三本の糸杉》などの代表作をはじめ、国内の知られざる作品も含めて、マックス・エルンストの油彩画、コラージュ、写真コラージュ、フロッタージュ、版画、彫刻など計約150余点が一堂に会す、またとない機会です。