Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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毛利家の至宝 大名文化の精粋

artscene2012-05-08



国宝・雪舟筆「山水長巻」特別公開

会期:2012年4月14日(土)〜5月27日(日)


※作品保護のため会期中、展示替をおこなう場合があります。
※各作品の展示期間については、美術館にお問い合わせください。



東京・港区にある「東京ミッドタウン」建設地は、旧防衛庁跡地として知られますが、遡れば江戸時代当時、長州藩毛利家の下屋敷があった由緒ある土地でした。今回の展覧会は、山口県防府市にある公益財団法人 毛利報公会(毛利博物館)の特別協力を仰ぎ、毛利家ゆかりの宝物の中から、毛利家の基本史料である文書類や、肖像画、甲冑武具、調度類、華麗な能装束、茶道具を中心に、かつて毛利家に伝来した貴重な作品も併せて、絵画・工芸の名品を一堂に展示します。

会期中は、室町時代水墨画の巨匠・雪舟等楊が描いた国宝「四季山水図(山水長巻)」の全長を一挙公開し、存分にご鑑賞いただける貴重な機会となります。毛利元就(1497-1571)や毛利輝元(1553-1625)に代表される毛利家の歴史を辿りつつ、そのゆかりの美術作品を通して、江戸時代の大名がはぐくんだ文化の精粋をご堪能いただければ幸いです。


※作品保護のため会期中、展示替えを行います。




会場
サントリー美術館


東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階


会期
2012年4月14日(土)〜5月27日(日)


※作品保護のため会期中、展示替をおこなう場合があります。
※各作品の展示期間については、美術館にお問い合わせください。


開館時間
10:00〜18:00 (金・土は10:00〜20:00)


※いずれも最終入館は30分前まで


休館日
毎週火曜日

入館料 一般 当日 1,300円
大学・高校生 当日 1,000円


※中学生以下無料


HP割
ホームページ限定割引券 携帯/スマートフォンサイトの割引券画面提示で100円割引

ATRo(あとろ)割
国立新美術館森美術館の企画展チケット提示で100円割引




1.戦国武将の雄 毛利元就から輝元まで


毛利博物館は毛利家ゆかりの宝物を受け継いだ博物館であり、国宝4件、重要文化財9件を含む約2万点を所蔵します。なかでも、戦国武将の雄として名を馳せた毛利元就毛利輝元などの甲冑武具や肖像画は、毛利家文書とともに、日本の歴史において彼らの果たした役割を鮮やかに示しています。ここでは由緒ある毛利家の治世のあとをたどります。


重要文化財
毛利元就画像
一幅
桃山時代
毛利博物館蔵



重要文化財
毛利元就自筆書状(三子教訓状)
一通
弘治3年(1557)
毛利博物館蔵



2.「山水長巻」の世界 雪舟水墨画

国宝「四季山水図」(山水長巻)は、室町時代に活躍した水墨画の巨匠として名高い雪舟等楊の代表作であり、日本絵画史上の最高傑作のひとつです。今回、毛利家の中で永く大切にされてきたこの画巻を、東京圏では10年ぶりに特別公開します。


国宝
四季山水図(山水長巻)[部分]
雪舟等楊筆
一巻
文明18年(1486)
毛利博物館蔵



3.受け継がれた美意識 毛利家の典籍と絵画

毛利家には平安時代の国宝である「古今和歌集」「史記呂后本紀第九」などの貴重な典籍が所蔵されており、毛利元就の詠んだ連歌は戦国時代の文化を伝えています。また、江戸時代に入ると雲谷派をはじめ様々な流派の絵画が集められ、座敷を飾っていた様子がわかります。ここでは毛利家の典籍と絵画を通して、大名文化の精粋をお楽しみください。


国宝
古今和歌集 巻八(高野切)[部分]
一巻
平安時代
毛利博物館蔵



4.暮らしにみる大名文化 婚礼調度と雛飾り

毛利家では年中行事にあわせて雛飾りなど大名ならではの飾りつけを行なってきました。また歴代の姫君の婚礼調度として新調された調度類や、衣服、身の廻りの洗練された化粧道具や文房具などが代々受け継がれてきました。ここでは江戸時代の大名文化の精粋を今に伝える品々を一堂に展示します。


黒塗唐草文沢瀉紋散蒔絵雛道具
一組
江戸時代
毛利博物館蔵



5.能楽茶の湯の世界 毛利家ゆかりの道具類

毛利家に伝わった能装束はひときわ優れた作例となっています。茶の湯においては、室町、桃山、江戸の道具類が代々受け継がれてきました。ここでは毛利藩に伝来した格式の高い作品を通して、日本固有とも言える大名文化の典型的な実例をお伝えします。



重要文化財
紅萌葱地山道菊桐文様片身替唐織
一領
桃山時代
毛利博物館蔵



6.毛利家と江戸麻布屋敷 近世から現代へ

サントリー美術館のある東京ミッドタウン建設地は、江戸時代に長州藩毛利家の下屋敷があった由緒ある土地です。これは江戸や東京の歴史をたどる意味できわめて注目すべき事実です。今回は様々な史料によって、江戸後半から明治期に至る毛利家の実態に迫ります。


江戸麻布邸遠望図
谷文二筆
一幅
江戸時代後期
毛利博物館蔵