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平安京出土の墨書土器

artscene2011-12-08


右大臣・藤原良相の邸宅跡と判明 

平安京出土の墨書土器に「三条院」の文字


 京都市中京区の平安京右京三条一坊六町の発掘現場で、「三条院釣殿高坏」と記された平安時代前期の墨書土器などが出土し、市埋蔵文化財研究所が8日、一帯が当時の右大臣、藤原良相(よしみ)(813〜867年)の邸宅「西三条第(百花亭)」跡と確定したと発表した。


 同研究所は4月から、鎌倉時代の事典「拾芥抄(しゅうがいしょう)」で西三条第があった場所と記されている平安京の中央北側にあたる約4千平方メートルを発掘調査。これまでに柱穴などが見つかっていたが、今回は当時の貴族の暮らしぶりをうかがわせる高級な輸入陶磁器や墨書土器、水晶などが多数出土した。



 土器に書かれた「院」の文字は皇室を示し、良相の姉で文徳天皇の母だった藤原順子(809〜871年)が約1年間、西三条第に住んだという平安時代の歴史書日本三代実録」の記述とも一致するという。



 良相は皇族以外で初の摂政となった藤原良房の弟。西三条第には天皇文人が訪れ、花見の宴も開かれたという。同研究所は「平安京の貴族邸宅の場所が、発掘調査で裏付けられたのは初めて」としている。


 現地説明会は10日午前10時と午後1時から行われる。



 京都市中京区の平安京右京三条一坊六町の発掘現場で「三条院釣殿高坏」と記された平安時代の土器や池跡が見つかり、8日、京都市埋蔵文化財研究所が発表した。鎌倉時代の事典「拾芥抄」によると、発掘区域は平安時代の右大臣藤原良相(813〜867)の邸宅「西三条」に該当するため、良相邸跡と判断した。

 同研究所は「発掘で、平安京の貴族邸宅の場所が判明したのは初めて」としている。

 
 現場は大学のキャンパス建設予定地。平安時代の邸宅跡が見つかり、池跡からは碁石や輸入陶磁器、くしなど高級貴族が用いたとみられるものが多く見つかった