Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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世界最古のドレス、5000年前のものと判明

artscene2016-02-23

ナショナル ジオグラフィック日本版 2月23日(火)


現存する織物のドレスとしては世界最古の「タルカン・ドレス」。元はひざ下まであったと考えられている。5100年〜5500年前のエジプト初期王朝時代のものだと判明した。(PETRIE MUSEUM OF EGYPTIAN ARCHAEOLOGY, UCL)

古代エジプトのドレスは驚くほど現代的
20世紀初めにエジプトのある墓地で見つかった麻のドレスが、新たな分析により5000年以上前のものであることがわかった。織物の衣服としては、これまで見つかった中で最古のものだ。縫い方もプリーツの付け方も美しく、当時の社会の繁栄を物語っている。


タルカン・ドレス」と呼ばれるこの衣服が発見されたのは奇跡と言っていい。植物の繊維や動物の皮で作られた古代の衣料は、ほとんどが崩れてばらばらになってしまうからだ。今回、ドレスの年代を発表した論文著者の1人で、英国ピートリー・エジプト考古学博物館学芸員、アリス・スティーブンソン氏は、「一般的に、遺跡から出土する織物に、2000年以上前のものはまずありません」と話す。スティーブンソン氏らの論文は、考古学の学術誌『Antiquity』に掲載された。


 このドレスと近い年代のもので、現代まで残っている衣服は数えるほどしかなく、それも、単に体に巻き付けたり、体を緩やかに覆ったりするものばかりだ。一方、このタルカン・ドレスは、古代のオートクチュールといえる。腕にぴったり添う袖とVネックの首元、幾重もの細かいプリーツがあしらわれたデザインは現代に通じるものがあり、もし百貨店に並んで売られていても違和感はないだろう。


 これほど細部まで手の込んだドレスは、専門の職人でなければ作れなかったはずだ。そうした職人が存在したということは、既に豊かで階層化の進んだ社会ができていたはずだ。事実、5000年前のエジプトには、ちょうど、1人の支配者の下に初めて統一された王朝が登場していた。ひじや両脇にあるしわからは、このドレスが単に儀式のために作られたのではなく、実際に着用されていたことがうかがえる。


 エジプトの墓地で5000年の間眠っていたタルカン・ドレスは、20世紀初めに考古学者に発見され、ピートリー・エジプト考古学博物館に寄贈された。だが、長年、ほかのぼろ切れと一緒に放置されていたのだ。1977年に遺物保存の専門家が館内の布の束を広げて整理して、このドレスはようやく日の目を見た。「ぼろぼろのシャツのように見えますが、数世紀後の遺跡からは、床に届く丈があるよく似た形のドレスが見つかっています。このドレスも、元はもっと長い丈だったと思われます」とスティーブンソン氏。

 こんなドレスを着られたのは、上流階級の人々だけだっただろう。オーストラリアにあるマッコーリー大学のジェナ・ジョーンズ氏はEメールの取材に対して、「ドレスとほぼ同年代の墓石には、よく似たローブを着た人々が描かれています」と指摘する。また、死後の世界に携えていくものの一覧を表したヒエログリフには、「食物や化粧品とともに、衣装を表す文字も含まれています」と同氏は付け加えた。

 ジョーンズ氏は、「放射性炭素年代測定によってタルカン・ドレスが『最も古い織物の衣服』であることが正式に証明され、とてもうれしく思っています」と語った。

文=Traci Watson/訳=高野夏美

谷敦志写真展2016


銀座で谷敦志さん写真展 「裸婦」を撮った新作18点
2016年01月21日

 銀座経済新聞のリアルスペース「ぎんけいさろん&ギャラリー」(中央区銀座1)で2月17日から、「谷敦志写真展2016」が始まる。

 個展を中心に国内外での活動を続け、その「ダーク&ゴシックなテイスト」で耽美(たんび)・幻想系のアートファンを中心にファンの多い谷さんが、同ギャラリーで個展を開くのは昨年に続いて2回目。

 昨年後半に撮影されたヌード写真の新作18点を展示するほか、ファイルに入った旧作も閲覧可能。限定エディションと直筆サイン入りの作品を購入することもできる(2万1,000円〜)。

 谷さんは「今回の新作は、その前に取り組んでいた花を被写体にしたシリーズからの続編的な位置付け。穏やかで静かな裸婦作品になったと思う」と話す。

 谷さんの過去の東京での個展や2013年に発売された写真集「アンビバレンス」のプロデュースも手掛けてきた同ギャラリーの三島太郎さんは、「今回の新作は一部の好事家にアピールするだけでなく、より普遍的で古典的と言っても良い『美』を人に感じさせる。一般には絵画や彫刻の題材として使われることが多い『裸婦』という言葉を写真家である谷さん自身が使っているのも象徴的」と話す。

 「2月19日・20日・26日・27日は谷さんが在廊する予定。写真作品のほかポストカードなどのグッズも販売するので、まずは谷さんの世界に触れていただければ」とも。

 開廊時間は13時〜19時。日曜休廊。入場無料。2月27日まで。

ヌード女性写真展「脱いでみた」 

artscene2016-02-17

アートでもエロでもない「自然の美しさ」表現 /東京
みんなの経済新聞ネットワーク 2月17日(水)


"「女の子への愛を感じていただければ」と呼び掛ける花盛さん"

 渋谷の「ギャラリー・ルデコ」(渋谷区渋谷3)1階で2月16日、フォトグラファー花盛友里さんの個展「脱いでみた」が始まった。



 大坂出身の花盛さんは、中学生のころに写真を撮り始め、2009年からフリーランスとして活動。女性誌や音楽誌、広告などでポートレートを中心に撮影している。2014年に発売した写真集「寝起き女子」(宝島社)などで知られる。

 女性のヌード写真展となる今回。花盛さんにとってヌードは、専門学校で写真を学んでいたころから撮っていたこともあり「普通のこと」だという。一時ヌードを撮影しない時期もあったというが、「学生の頃に戻ってみてもいいのでは」と2〜3年前から撮影を再開した。

 会場にはサイズ、出力や展示方法などが異なる写真を展示。作品は、自然な女性の姿を捉えたカットをはじめ、ヘアメークやスタイリストを交え「桜の木の下」「コインランドリー」「ラブホテル」などさまざまなシチュエーションで撮影した作品、撮影で会ったのを最後に亡くなった親友の写真などさまざま。

 17人のクリエーターが花盛さんの写真を冊子の表紙のようにデザインした作品も並ぶ。被写体はモデルや友人もいるが、自身のインスタグラムを通して募った一般女性もいる。「『自分じゃないみたい』と喜ばれ、やってきて良かったと思えた」と花盛さんは振り返る。

 展覧会に合わせ、写真集「脱いでみた。」も自費出版した。見るだけでなく、触ったり飾ったり「アートピースとして楽しんでもらいたい」との思いから、広げるとA1サイズになる大判で、あまり写真集には使われないという紙「エバーライト」を使い「隠れデザイン」を入れるなど、ミニマムな中に「遊び心」を取り入れたデザインに仕上げたという。価格は2,500円。

 自身の作品を「アートでもエロでもない写真」といい、「(男性より)女の子を撮影する方が、胸が躍る。飾らない自然な体がきれい。自分と近い存在だから良いのかもしれないし、逆に届かない存在だから良いのかもしれない」と話す花盛さん。「ゆっくりとご覧いただき、女の子への愛を感じていただければ」と来場を呼び掛ける。期間中は連日17時ごろまで花盛さんが在廊予定。

 開催時間は11時〜19時(最終日は17時まで)。場内は撮影不可。入場無料。2月21日まで。

「谷根千・上野」の写真展 

谷中在住の写真家が切り取る地元の魅力

写真家の重盛明人

 谷中のギャラリー「谷中画廊」(台東区谷中5、TEL 090-3201-3405)で2月13日から、写真家の重盛明人さんによる写真展「谷根千・上野の四季」が開催。重盛さんはグラフィックデザイナーとしての広告の仕事と並行して写真家として活動している。3年ほど前からは「谷中写真部」という写真教室も主宰。5年ほどの間に撮りためた谷根千エリアや上野の写真を展示する。

 開館時間は13時〜17時(土曜・日曜は11時〜)。月曜・火曜定休。今月28日まで。

渋谷 studio IVY

バレンタインに「私ヌード写真集」 


2016年02月12日

女性目線で「女性の美」に焦点を当てて撮影

 「チル・プロダクション」(千代田区九段北3)が運営する、メモリアルヌード専門フォトスタジオ「studio IVY(スタジオ アイビー)」(渋谷区、TEL 03-5772-1826)の「私ヌード写真集」バレンタインキャンペーンが好評だ。

 同店は、2011年4月に世界初のメモリアルヌード専門フォトスタジオとして、表参道にオープン。きっかけは、同社が運営するマタニティ・ベビー・ファミリー専門の「Happy Birth Photo Studio」にかかってきた1本の電話だったという。「乳がんのため、翌月に手術を受ける。妊婦ではないが撮ってもらえないか」という話を聞き、梅本裕子オーナーは「命をテーマに、『女性としての美しさを形に残したい』という思いは一致する」と判断し撮影。その後、同じような問い合わせが増えたことから、サービス化を決定した。今では20代から70代まで、幅広い層の女性のメモリアルヌードを撮影している。

 現在実施中の「バレンタインキャンペーン」では、期間中に撮影した全員にフォトブック(8,600円相当)を進呈しており、自分自身を写真集にしてバレンタインギフトにすることを提案している。

 内容は、撮影データから好きな写真を11枚選び、ソフトカバーのフォトブック加工をするというもの。当初は2月14日までのキャンペーンだったが、通常月の3倍の予約があったことから、期間延長に踏み切った。

 基本プランは、100枚以上の撮影と全撮影データ(DVD即日渡し)で、3万7,000円(税別)。所要時間は約1時間半。スタッフはカメラマンも含め全員女性。DVD納品後、スタジオにデータを残さず、客の目の前で削除にも対応する。

 2月28日まで。