Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

菱田春草展

artscene2014-07-16



王昭君(おうしょうくん)》1902年(明治35) 重要文化財 善寳寺

Hishida Shunso: A Retrospective


2014.9.23-11.3


会場
東京国立近代美術館 企画展ギャラリー


会期
2014年9月23日(火)〜11月3日(月)


開館時間
10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
入館は閉館30分前まで


休館日
月曜日(10月13日、11月3日は開館)、10月14日(火)


観覧料
一般1400(1200/1000)円
大学生900(800/600)円
高校生400(300/200)円
( )内は前売/20名以上の団体料金。いずれも消費税込。



中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。
それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。

本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催のコレクションを中心とした小企画「美術と印刷物―1960-70年代を中心に」(ギャラリー4、2F)、所蔵作品展「MOMATコレクション」(所蔵品ギャラリー、4-2F)もご覧いただけます。




猫ペアチケット
当日一般チケット2枚で2800円のところを、2000円でお買い求めいただけるお得なチケットです。大人気の「猫作品」には、期間限定で公開されるものがあります。「猫チケ」で前期・後期にそれぞれ1回ずつお越しいただけば、猫をモチーフとした作品すべてをご覧いただけます!


価格 : 2枚で2000円
販売期間:5月7日(水)〜9月22日(月)

猫をモチーフとした作品がデザインされた猫ペアチケットの実券は、東京国立近代美術館、ちけっとぽーと、チケットビューローで販売します。(オンラインチケットで購入された場合、ご希望の方は会場で猫デザインのチケットと引き換えます。)


《猫ペアチケット販売場所》
東京国立近代美術館(開館日のみ)
ちけっとぽーと
チケットビューロー

会期中、展示替があります。


主催
東京国立近代美術館日本経済新聞社NHKNHKプロモーション
協賛
損保ジャパン・日本興亜損保、大伸社
協力
旭硝子
助成
公益財団法人ポーラ美術振興財団
美術館へのアクセス
東京メトロ東西線竹橋駅 1b出口より徒歩3分
〒102-8322 千代田区北の丸公園3-1


菱田春草展特設HP


菱田春草(1874−1911)は日本近代で最も魅力的な画家の一人です。春草は草創期の東京美術学校を卒業後、岡倉覚三(天心)の日本美術院創立に参加、いわゆる「朦朧体(もうろうたい)」の試みや、晩年の装飾的な画風によって、それまでの「日本画」を色彩の絵画へと変貌させました。生誕140年を記念して開催する本展では、《落葉(おちば)》連作5点すべてに加え、《黒き猫》をはじめとするさまざまな“猫作品”や、新出作品等を含む100点を超える作品を、最新の研究成果とともにご紹介します。


(1)重要文化財4点がすべて出品されます
36歳で亡くなった春草の画業はおよそ15年。短い生涯ながら、重要文化財に指定されている作品は、近代芸術家の中で最多の4点を誇ります。本展では、重要文化財王昭君(おうしょうくん)》、《賢首菩薩(けんしゅぼさつ)》、《落葉》、《黒き猫》4点すべてをご覧いただけます。
(2)《落葉》の連作5点がすべて出品されます
《落葉》連作とは、文展に出品された《落葉》及び「落葉」と題された制作時期の近い作品全5点のこと。いずれも木立を描いた屏風ですが、見比べると構図や描法にそれぞれ少しずつ違いがあります。文展の《落葉》を制作したとき、春草は大事な「距離」の表現と「画の面白味」との間で悩んだと告白しています。この両者のバランスの違いが、《落葉》それぞれの違いとなって表れているのです。

《落葉》1909(明治42)年 重要文化財 永青文庫熊本県立美術館寄託)展示期間:9月23日〜10月13日


《落葉》1909(明治42)年 福井県立美術館 展示期間:10月7日〜11月3日
(3)《黒き猫》をはじめ、猫は9匹


《黒き猫》は、近代日本画でもっとも有名な猫だと言えるでしょう。この作品がなければ、竹久夢二速水御舟が「黒猫」を描くことはなかったかもしれません。それだけ後世の画家たちに与えたインパクトは大きいものでした。本展覧会では《黒き猫》だけではなく、白、ぶち、別の黒猫など、9匹の猫が集まります。猫の絵だけを見て、春草の画風の変遷を理解することもできるかもしれません。また、なぜ春草が重要文化財《黒き猫》をたった5日で描き上げることができたのか、その秘密もきっと明らかになるでしょう。

《黒き猫》1910(明治43)年 重要文化財 永青文庫熊本県立美術館寄託)
展示期間:10月15日〜11月3日



《白き猫》1901(明治34)年 春草会
展示期間:9月23日〜10月13日


(4)春草生誕140年を記念した、作品100点を超える大回顧展です
岡倉覚三(天心)没後100年(2013)、下村観山生誕140年(2013)、日本美術院再興100年(2014)と、日本美術院に関連するメモリアルが続く今年。いよいよ、春草生誕140年を記念する回顧展を開催します。100点を超える出品作は、いずれも春草の画業を理解する上で重要な作品ばかり。質量ともに充実のラインナップで、春草の真価に迫ります。
展示期間:9月23日〜10月13日
《水鏡(みずかがみ)》


1897(明治30)年 東京藝術大学
展示期間:9月23日〜10月13日

《菊慈童(きくじどう)》
1900(明治33)年 飯田市美術博物館
《松に月》1906(明治39)年 個人蔵




(5)新出作品および数十年ぶりの公開となる作品も多数出品されます
秘蔵作品が多いのも春草の特徴の一つです。なかなか見ることのできない重要作品や、回顧展初出品となる作品も多数ご紹介します。今回は特に、アメリカ・ヨーロッパ遊学から《賢首菩薩》までの時期(1904-07)の作品を充実させています。空間表現や色彩表現について試行錯誤を繰り返した様子を、実作品でご覧いただきます。
《夕の森》1906(明治39)年 個人蔵

《風》1906(明治39)年 個人蔵


(6)絵具の科学調査をすすめています

《賢首菩薩(けんしゅぼさつ)》
1907(明治40)年 重要文化財 東京国立近代美術館
いくつかの代表的作品について、使用絵具の科学調査をすすめています。先行しておこなった《賢首菩薩》の調査では、何種類かの合成絵具が使用されていたことが判明しました。「色彩研究」を課題とした朦朧体後期以降の試みを、具体的に示す事例といえます。こうした調査結果をふまえ、春草の色彩表現について考察します。



展覧会構成
1章 : 東京美術学校の時代
2章 : 日本美術院の時代
3章 : 外遊、そして五浦へ
4章 : 代々木の時代



菱田春草
1874(明治7)年9月21日
現在の長野県飯田市に生まれる。

1890(明治23)年9月
東京美術学校に入学。

1895(明治28)年7月
卒業制作《寡婦と孤児》が最優等で卒業。

1896(明治29)年9月
日本絵画協会第1回絵画共進会に《四季山水》を出品し画壇デビュー。

1898(明治31)年
東京美術学校事件が起こり、校長岡倉覚三(天心)の辞職に殉じて美校教員を辞する。7月、日本美術院の創立に参加し正員となる。
1900(明治33)年
春草らによる線を描かない色彩画(没線描法)の試みが「朦朧体」と揶揄されるようになる。

1903(明治36)年
約半年にわたってインドに遊学し、ベンガル地方の芸術家と交友する。

1904(明治37)年
約1年半にわたってアメリカ・ヨーロッパに遊学する。没線描法の意義を再確認し、色彩研究を課題に掲げる。

1906(明治39)年
日本美術院の縮小移転にともない、家族を連れて茨城県五浦に転居する。

1907(明治40)年10月
第1回文部省美術展覧会(文展)に《賢首菩薩》を出品する。その制作中より眼病の兆候が現れる。

1908(明治41)年5月
病気治療に専念するため、五浦を離れ代々木に転居する。再び絵筆をとれたのは約半年後のことだった。

1909(明治42)年10月
第3回文展に《落葉》を出品し、最高賞を受賞する。

1910(明治43)年10月
第4回文展に《黒き猫》を出品する。

1911(明治44)年2月
第11回巽画会展に《早春》を出品するが、この頃より再び病状が悪化する。9月16日、満36歳で死去。
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イベント情報
講演会
高階秀爾大原美術館長、東京大学名誉教授)
日程: 2014年9月27日(土)
時間: 14:00-15:30
申込締切:9月1日(月)必着
尾粼正明(茨城県近代美術館長)
日程: 2014年10月11日(土)
時間: 14:00-15:30
申込締切:9月10日(水)必着
※いずれも東京国立近代美術館講堂(地下1階)にて。参加無料(定員140人)


要申込(応募者多数の場合は抽選とさせていただきます)

《申込方法》
郵便往復はがきに次の必要事項を記入のうえ、お申し込みください。
【往信用裏面】希望する講演日・郵便番号・住所・名前(ふりがな)・電話番号
【返信用表面】郵便番号・住所・名前

※応募者多数の場合は抽選のうえ、ご案内いたします。
※1枚で2人までの応募可。2人応募の場合は往信用裏面に2人分名前を明記。

《申込み先》
〒106-0032 東京都港区六本木4-8-7 六本木三河台ビル7F
菱田春草展」広報事務局 講演会係