Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

奈良・東大寺展 

artscene2014-04-01


大阪・あべのハルカス美術館 開館記念特別展

あべのハルカス、見晴るかす


http://todaiji2014.jp

http://www.aham.jp/exhibition


Opening special exhibition TODAIJI


2014年3月22日(土)〜5月18日(日)


開館時間
火〜金 10時〜20時
土・日・祝 10時〜18時
(入館は閉館30分前まで)


休館日
月曜休館(但し、4月28日、5月5日は開館[10時〜18時])


あべのハルカス美術館あべのハルカス16階]

http://www.aham.jp

(〒545-6016 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43  あべのハルカス16F)


主催
あべのハルカス美術館東大寺朝日新聞社NHK大阪放送局NHKプラネット近畿


協賛
竹中工務店ダイキン工業、大伸社、あいおいニッセイ同和損害保険


協力
朝日放送


お問合せ
TEL.06-4399-9050(10時-18時)
展覧会開催中の火〜金(祝日を除く) 10:00〜20:00

作品保護のため、会期中に展示替えを行います。

Access
あべのハルカス美術館
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43  あべのハルカス16F

近鉄大阪阿部野橋駅」、JR・地下鉄「天王寺駅」、阪堺上町線天王寺駅前駅」下車すぐ
新大阪から:地下鉄御堂筋線新大阪駅天王寺駅 約21分
梅田から:地下鉄御堂筋線梅田駅〜天王寺駅 約15分
神戸から:JR神戸線三ノ宮駅大阪駅〜JR環状線天王寺駅 約36分
京都から:JR京都線京都駅〜大阪駅〜JR環状線天王寺駅 約43分

あべのハルカス美術館へはハルカスシャトル(エレベーター)【乗り口:1階】をご利用ください。

駐車場はございません。公共交通機関をご利用ください。



重要文化財 五劫思惟阿弥陀如来坐像が2体並んで展示
「五劫思惟阿弥陀如来坐像(五劫院)」
「五劫思惟ごこうしゆい阿弥陀如来坐像(五劫院)」
像高124.2cm/鎌倉時代/五劫院蔵
奈良国立博物館


重要文化財「五劫思惟阿弥陀如来坐像」
「五劫思惟ごこうしゆい阿弥陀如来坐像」
像高106.0cm/鎌倉時代東大寺



阿弥陀如来は、法蔵ほうぞう菩薩という修行者であったとき、五劫ごこうという永い年月独坐思惟どくざしゆいして大願を成就したと説かれる。螺髪が長く伸びた特異な姿は、五劫の経過を表すものとされる。


重要文化財弥勒菩薩立像」
像高102.7cm/鎌倉時代東大寺中性院蔵
奈良国立博物館


整ったプロポーション、慈悲の笑みをたたえながら、きりっとひきしまった表情。鎌倉時代初期を代表する作品として人気の高い仏像である。
重要文化財「公慶上人坐像」
重要文化財「公慶こうけい上人坐像」
像高69.7cm/江戸時代/東大寺
奈良国立博物館


江戸時代の大仏復興の中心人物である公慶こうけい(1648〜1705)の肖像彫刻である。片方の目は赤く、復興の難事業が公慶の健康を奪っていたことを物語っている。
あべのハルカス美術館大阪市阿倍野区、「あべのハルカス」16階)では、2014年3月の開館を記念し、国宝、重要文化財を含む東大寺の宝物を公開する特別展「東大寺」を開催いたします。


高さ300メートル、日本一の超高層複合ビル「あべのハルカス」の16階に位置する「あべのハルカス美術館」が、3月ついに開館します。ターミナル立地という高い利便性、都市生活をより豊かにするさまざまな施設や機能を集積していることを生かし、誰もが気軽に芸術・文化を楽しめる都市型美術館を目指します。国宝や重要文化財の展示も可能な本格的な施設を備え、日本・東洋美術、西洋美術、現代アートまで多彩な展覧会を開催、また平日は20時まで開館し、上質で快適な鑑賞の場を提供します。


東大寺は、創建以来1250年以上にわたって、わが国の文化、信仰、美術史上において大変重要な位置を占め、また国民に親しまれてきました。本展では、国宝『誕生釈迦仏立像』をはじめ、創建当初の姿を伝える宝物、学問の寺としての伝統を伝える絵巻や古文書、数度にわたる被災からの再興の歴史を物語る宝物など、重要文化財を含む約70件を精選して展示し、いつの時代も朝廷・幕府から民衆まであらゆる人々とともにあった東大寺の姿を紹介します。


あべのハルカス美術館」開館を記念した本展で、身近に宝物を拝観していただき時代を超えた普遍の美や作品を生み出した人々に思いを馳せてください。


左:国宝「誕生釈迦仏立像・灌仏盤」(部分)右:「善財童子像」(部分)
誕生釈迦仏と善財童子
あべのハルカス美術館の誕生を記念して、奈良時代天平彫刻を代表する金銅仏である誕生釈迦仏立像が展示されます。おおらかでふくよかな子供らしい姿は、見る者が思わず微笑んでしまうような愛らしさです。東大寺の中心的な教えである『華厳経』に説かれる善財童子の姿もまた愛らしく、悟りを求めて旅を続ける童子を応援したくなります。

左上:国宝「誕生釈迦仏立像・灌仏盤」(部分) 奈良時代東大寺蔵 画像提供 奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)、右下:「善財童子像」(部分) 鎌倉時代東大寺蔵 画像提供 奈良国立博物館(撮影:森村欣司)
重文「地蔵菩薩立像 快慶作」(部分)


仏像の数々
東大寺には人々に親しまれている多くの仏像があります。今回はその中から「試みの大仏」と呼ばれる弥勒仏坐像、鎌倉時代の快慶の手になる美しい地蔵菩薩立像、五劫ごこうという長い時間思惟を重ねているうちに髪の毛が伸びてしまったことを表す五劫思惟阿弥陀如来坐像ごこうしゆいあみだにょらいぞうなど興味深い仏像が出品されます。



重文「地蔵菩薩立像 快慶作」(部分) 鎌倉時代東大寺蔵 画像提供 奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)



東大寺に関わった人々
東大寺の創建や大仏造立に関わった「四聖ししょう」と呼ばれる聖武天皇、菩提遷那ぼだいせんな、行基、良弁。復興に関わった重源や公慶、さらに空海や聖宝といった平安時代東大寺密教を導入した人々など東大寺に関わった人々やゆかりの宝物を紹介し、スケールの大きな歴史の流れを振り返ります。
「執金剛神縁起」(部分)


東大寺の伝説と絵巻
東大寺では主要な堂舎の復興勧進に関わって東大寺の歴史や伝説を語る多くの絵巻が作られました。特に室町時代には南都絵所と呼ばれる、奈良で活躍した絵師たちの手になる色鮮やかな絵巻が作られ、復興勧進喜捨を募る場で絵解きされました。それらの絵巻は、東大寺の豊かな物語を見る者に生き生きと語りかけます。

「執金剛神縁起」(部分) 室町時代東大寺蔵 



出品目録/PDF/約832KB


主な展示作品
第一章 東大寺創建と東大寺の伝説
東大寺創建以来の伝統や伝承を物語る作品を紹介します。仏生会ぶっしょうえの本尊誕生釈迦仏立像・灌仏盤は、東大寺の創建当初の歴史を語る上で欠かせない作品です。東大寺の創建に尽くした人々を紹介する作品、鑑真和上と日本初の戒壇の創設に関わる作品、現代まで続く修二会しゅにえに関わる作品、さらに後の復興勧進に際して制作された、創建当初の東大寺に関わる伝承を物語る縁起物を展示します。
重要文化財「四聖御影(ししょうのみえ)(永和本)」
重要文化財「四聖御影ししょうのみえ(永和本)」
201.5cm×153.0cm/南北朝時代東大寺
《3月22日(土)〜4月6日(日)までの展示》



東大寺大仏造立の発願者である聖武天皇(左上)、大仏を開眼した菩提遷那ぼだいせんな(右上)、大仏造立の勧進をした行基ぎょうき(右下)、東大寺初代別当の良弁りょうべん(左下)という4人の人物を神像のように描く。
重要文化財弥勒仏坐像」
重要文化財弥勒仏みろくぶつ坐像」
像高39.0cm/平安時代東大寺



増高40センチメートルほどの小像でありながら、堂々とした体軀の表現は大仏に通じるスケールの大きさを感じさせ「試みの大仏」という通称で親しまれている。平安時代初期の一木彫刻を代表する作品。
「執金剛神縁起 3巻」
「執金剛神しゅうこんごうしん縁起」3巻
各縦33.9cm/室町時代東大寺
《各期毎に場面替え》



室町時代後期に伽羅再興勧進のために描かれた絵巻。東大寺初代別当の良弁の伝記・伝説と、良弁の念持仏といわれる法華堂に安置された秘仏・執金剛神像の霊験を描く。



第二章 教学興隆
学問の寺としての東大寺において華厳けごん研究など教学の興隆の中で作られた作品や平安時代に入って空海らにより密教が伝えられてからの信仰に関わる作品により構成します。 奈良時代以来、東大寺の教学の中心であった華厳教学に基づいて制作された数々の作品、特に愛らしい善財童子の登場する作品やさまざまな造形を生んだ密教の舎利信仰に関わる作品を展示します。
「金亀舎利塔」
「金亀舎利塔きんきしゃりとう」
高さ58.0cm/室町時代東大寺



亀の背に透かし彫りの宝塔を乗せた形の舎利塔。鑑真がんじんの渡海のとき金亀が三千粒の舎利(釈迦の遺骨)を守ったという伝説にしたがった造形。唐招提寺の金亀舎利塔を模したものと思われる。
善財童子像」
善財童子像」
61.0×40.9cm/鎌倉時代東大寺
《4月8日(火)〜4月20日(日)までの展示》



華厳経』入法界品にゅうぽっかいひんの主人公で、賢者のもとを巡歴して悟りに至る善財童子の姿。この図では、画面の外の何者かに向かって可愛らしい童子が合掌している。華やかな画面には高麗こうらい仏画の影響が指摘されている。
「華厳海会善知識曼荼羅図」
重要文化財
「華厳海会善知識曼荼羅図けごんかいえぜんちしきまんだらず」
縦182.4×横116.1cm/鎌倉時代東大寺
《4月8日(火)〜4月20日(日)までの展示》



中央上部に毘盧遮那仏びるしゃなぶつを描き、その周囲の54の小区画には『華厳経』の入法界品で善財童子が様々な賢者のもとを巡歴して悟りに至る場面を描く。


第三章 復興の歴史
焼亡のたびに重源ちょうげんや公慶こうけいらが中心となった朝野を挙げての勧進により復興される東大寺の有様を伝える作品や、復興の中で制作された作品により構成します。治承4年(1180)平重衡しげひらの兵乱により伽羅の焼亡など甚大な被害をこうむりましたが、その後、重源の勧進によって東大寺は復興されます。これら、重源の活動を紹介する作品、そして鎌倉時代の美しい仏像とともに復興していく東大寺の様子を伝える作品、さらに室町時代末期に三好・松永の兵火で再び罹災した後、江戸時代に勧進復興を果たした公慶と復興の有様を紹介する作品を中心に展示します。
国宝「重源上人坐像」
国宝「重源上人坐像」
像高81.8cm/鎌倉時代東大寺



東大寺の鎌倉復興を推進した大勧進・俊乗房しゅんじょうぼう重源の最晩年の姿を伝える我が国の肖像彫刻の代表作。東大寺再興の大事業を成し遂げた重源の人物像を余すところなく表現している。
地蔵菩薩立像」
重要文化財地蔵菩薩立像」
快慶作/像高89.8cm/鎌倉時代東大寺



重源に帰依した快慶の作品は、東大寺にも僧形八幡神像そうぎょうはちまんしんぞう、俊乗堂阿弥陀如来像等が伝わる。地蔵菩薩の来迎を表すこの像は、快慶の円熟期を代表する端正な作品。
「大仏殿虹梁木曳図」
「大仏殿虹梁木曳図こうりょうきびきず」
古礀筆/29.0×1003.1cm/江戸時代/東大寺
《各期毎に場面替え》


木曳の様子がユーモラスに描かれている。江戸時代の再興で大仏殿に渡された大虹梁だいこうりょうは日向国から海路に運ばれ淀川をさかのぼり、山城国木津からは毎日2、3千人の人に陸路を2週間曳かれて奈良に着いた。