東京国際フォーラム 全天球シアター「SPACE BALL」
東京国際フォーラムのガラス棟
at home presents SPACE BALL
The Real Experience Trip to Space
2012年12月15日(土)〜2013年1月27日(日)
時間1回10分プログラム 10:00〜22:00 の間に36回上映
1月27日(日)の最終日まで全てチケットは売り切れです。当日券の販売は、キャンセル空きが出ない限りありません
料金前売:
当日:一般1,800円 小学生600円
会場ロビーギャラリー
お問い合わせ
ハローダイヤル
TEL03-5777-8600(全日8:00〜22:00)
設計者プロフィール
1970年生まれ。プラネタリウム・クリエーター (有)大平技研社長
子供の頃から写真現像、ロケット製作、アニメーション作成、鉱物採集など様々なことに興味を示す。小学生の頃からプラネタリウムの自作に取り組み、大学時代に、アマチュアでは例のないレンズ投影式プラネタリウム「アストロライナー」の開発に成功。就職後も製作を続け、 1998年にこれまでの100倍以上にあたる150万個の星を映し出す「MEGASTAR(メガスター)」を国際プラネタリウム協会ロンドン大会で発表し、話題に。2004年には日本科学未来館と共同開発した、投影星数560万個のMEGASTAR-II cosmos がギネスワールドレコーズに認定された。2008年6月、投影星数2200万個のSUPER MEGASTAR-IIを発表。国内に多数のプラネタリウムを常設設置するほか、2010年10月にはインド・ニューデリーに海外初常設設置、2011年には5月にエストニア・タルトゥに360度全天球プラネタリウムを設置するなど海外でも活躍。イベントやアーティストとのコラボレーションなど、常に可能性を切り開いている。
東京国際フォーラムのガラス棟に、球体のプラネタリウムが出現します。2012年12月15日〜2013年1月27日まで、移動式体感型全天球シアター「SPACE BALL」が設置され、最新鋭のテクノロジーによる音響・映像を通じ、宇宙空間への旅を楽しむことができます。 「SPACE BALL」を企画・開発・プロデュースしたのは、画期的なプラネタリウム装置を作り続けてきた大平貴之さん。この新しいプラネタリウムを通じ、大平さんは何を伝えたいと思われたのか、お話を伺いました。
■SPACE BALLを通じて感じてもらいたいこと
僕はこれまでにも東京国際フォーラムのイベントで星空の演出を手がけたことはありましたが、「SPACE BALL」のような本格的なプロジェクトを行うのは初めてなので、とにかく楽しみな気持ちです。
「SPACE BALL」は全天球プラネタリウムです。通常のプラネタリウムは頭上にしか星空は現れませんが、「SPACE BALL」では自分の足元にも星空が広がります。その映像も、今回僕らが開発した「FUSION」という最新鋭のシステムを導入していますので、高い解像度で映し出されます。美しい星空に包まれるような感覚を味わうことができるでしょう。
さらに「SPACE BALL」では、いくつかの章立てに分かれたストーリーを体験していただきます。種子島宇宙センターから出発し、まずは日本の宇宙開発がたどり着いた世界、次に人類の宇宙研究がたどりついた世界、そして現代の天文学が解き明かした宇宙の果てへと旅をします。最後には科学すらも到達していない未発見の世界を想定した、驚きの結末をご用意しています。
「SPACE BALL」は体感マシーンですから、とにかく宇宙の広がり、日常では体験できないような世界に触れていただくことになります。そこで何を感じ取るかは体験される一人ひとりに委ねられると思います。ただ、宇宙とは、僕らが把握しているもっともスケールの大きな世界です。そこに触れることで、この世にはまだ多くの謎が残されていることを確認し、そして大きなスケールから今一度自分を見つめ返すようなきっかけにしてもらえたらと思います。
今、世の中ではさまざまな問題が抱えられていて、元気がなくなってきている部分もあります。こういう時代だからこそ、人間がなぜこの宇宙に生まれてきたのか、自分が何者であるのか、そうしたことに想いを馳せることで、ひょっとしたら人生観が変わるかもしれません。
■「最新最高」を裏付ける力の結集
準備を開始してから、およそ1年半。「SPACE BALL」はかなりタイトなスケジュールの中で進められてきました。「SPACE BALL」とはある意味、荒唐無稽なアイディアだったかもしれません。技術的には作ることが可能でも、現実的には様々なハードルにぶつかり、消去法を繰り返すうちに実現できないアイディアも多々あります。しかし「SPACE BALL」は実現しました。なぜか。それは多くの人々の協力や技術や興味を味方とし、コーディネートされ、プロジェクトとして進められてきたからです。僕一人のアイディアを超えた力が働いた結果なのです。
もともと全天球プラネタリウムは、僕らがエストニアの科学館で常設したものがあります。それをたまたまテレビ東京の方がご覧になり、日本にもオリジナルなものを作ってみようと話が持ち上がったのです。そこからはテレビ東京の重定菜子さんが中心となり、いろいろな方の協力を集めて下さった。それも驚くべきスピードで。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)からは、日本の宇宙開発の章を作るにあたり、種子島での打ち上げの撮影など、多くのご協力をいただきました。毛利衛さんとは、何年もお付き合いがあり、これまでにも僕のプラネタリウム装置「MEGASTAR」をめぐって叱咤激励をいただき、意見交換をしてきました。毛利さんは「新たな試み」ということをとても大事に考えておられて、今回も多大な関心を寄せて下さいました。
さらに音響制作のチーム、CGの映像制作のチームなど、畑違いの人たちが集まり、智恵を出し合うことで、今までにない新しいコンセプトをもったものが出来上がりました。「最新最高」と胸を張って言えるものが作られたと思っています。
■人と集うことで生まれた「SPACE BALL」
「SPACE BALL」が生まれた経緯を振り返ってみても、人が人と集うことは、すごく面白いことだと思いますね。人間同士は協力し合うことで、個人の力を超えたものを生み出すことができるのです。
僕はどちらかというと、自分ひとりの頑張りでどうにか結果を出そうとするタイプだったんです。多くの人が関わったとしても、ただ皆で仲良くやりましょう、というだけでは平均的なアイディアになってしまいがち。しかし「SPACE BALL」ほど突飛なアイディアはそうはいきません。突飛だからこそ、自分も参加してみたいという多くの方の力が雪だるま式に集まったのだと思います。
人々の力が結集されて、当初のイメージからかなりグレードアップした「SPACE BALL」が実現しました。ぜひ体感していただきたいです。