Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

東京都墨田区に2015年、開館予定

artscene2013-01-22


すみだ北斎美術館の建設地は、都営地下鉄大江戸線両国駅の東側約400メートルの場所にある緑町公園内。この場所には、かつて、弘前藩津軽家の大名屋敷があった地である。藩主からの依頼で、北斎が屏風に馬の絵を描いたというエピソードが残されていることなどから、北斎ともゆかりの深い土地である。


東京都墨田区亀沢二丁目7番 緑町公園内

最寄り駅 両国駅

建築概要
敷地面積 1,254.7平方メートル
建築面積 700.0平方メートル
延床面積 3,326.8平方メートル
建物高さ 22メートル

構造 地上4階 地下1階

鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)



http://hokusai-museum.jp/

 世界的な画家として評価の高い葛飾北斎は、宝暦10年(1760年)に本所割下水付近(現在の墨田区亀沢付近)で生まれ、90年の生涯のほとんどを墨田区内で過ごしながら、優れた作品を数多く残しました。


 墨田区では、この郷土の偉大な芸術家である北斎を区民の誇りとして永く顕彰するとともに、地域の産業や観光へも寄与する地域活性化の拠点として、「すみだ 北斎美術館」を開設する準備を進めています。


 この美術館では、北斎及び門人の作品を紹介するほか、北斎と「すみだ」との関わりなどについて皆様にわかりやすく伝えていくため、展覧会をはじめ様々な普及事業を行います。そして、これらの事業活動を通じて国内外に向けて情報を発信し、北斎と「すみだ」の魅力をより一層高めていきます。



設計
(株)妹島和世建築設計事務所


設計コンセプト


「街に開き、地域住民の方々に親しまれる美術館」
北斎生誕の地につくられる、世界的な画家である北斎のための公共の美術館」
「ソフトの記憶(空間・内容)と外側の記憶(建築)との一致 いつまでも心に残る美術館」
「常に新しいチャレンジを試みた北斎の精神を感じることができる美術館」







美術館のすべての事業の基盤となるものが、コレクション(収蔵作品)です。すみだ北斎美術館では、成長し続ける美術館をめざして、国際的な期待に応えることができる、状態が良く質の高い作品を収集し、コレクションを充実させていきます。現在の収蔵作品のうち特筆すべきものとして、故ピーター・モース氏や故楢崎宗重氏をはじめ、高名な研究者から譲り受けた資料があります。


ピーター・モース コレクション 故ピーター・モース氏(1935年から1993年)は、ホノルル美術館副主任研究員等を歴任し、東西の版画芸術を研究する一方、葛飾北斎の一大コレクターとして世界的に知られた存在でした。大森貝塚を発見したエドワード・S・モースの血縁(弟のひ孫)にもあたります。



 モース氏のコレクションは、欧米における北斎の個人収集としては最高・最大の内容と言われており、研究者の眼で収集された希少価値の高い作品が多く含まれていることが特徴です。


 平成5年のモース氏の急逝後、そのコレクションの散逸を惜しまれた御遺族が、すみだ北斎美術館の計画に理解を示されたことから、墨田区が総数600点に近い北斎作品や研究資料などを一括取得しました。
楢崎宗重コレクション 故楢崎宗重博士(1904年から2001年)は、浮世絵の研究者として数多くの著書や研究論文を発表され、浮世絵研究の日本での第一人者といわれています。


 楢崎氏のコレクションは、自身の研究活動の中で収集・所蔵していたもので、浮世絵版画に止まらず、浮世絵にまつわる資料として、日本及び中国の古美術から近世絵画・版画、近代絵画まで、さらに日記や絵巻物などの関連資料も含まれています。日本美術の正統的な価値を年代順に追うことのできるコレクションとしての価値は高く、体系的な美術史研究を進める上でも貴重な資料といえます。
 すみだ北斎美術館開設の趣旨に賛同、関係資料の収集などに御指導いただいていた同氏から、平成7年に一括して寄贈を受けました。


カラー版 北斎 (岩波新書)

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