古墳時代、武具装着の人骨出土
群馬県渋川市の金井東裏遺跡で、古墳時代に当たる6世紀初めの火山灰の地層から、武具の鎧を着けた人骨1体が、埋蔵文化財調査事業団の発掘調査で出土した。
遺跡の近くでは、榛名山(群馬県)が5〜6世紀に数回噴火したことが知られている。今回の人骨は火砕流に巻き込まれたとみられる。山の方角を向いて出土し、鎧を着けて山の怒りを収めようと儀式を行っている中、飲み込まれたのではないかと見られている。
胴部を守るよろいは古墳の副葬品として出土することが多いが、同事業団によると、実際に装着した状態で見つかるのは初。古墳時代に被災した人骨が発見された例もなく、当時の軍備や災害の様子が分かる一級史料。人骨は成人男性でほぼ全身が残っている。