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世界最古2万年前の土器片、中国の洞窟遺跡で発見


産業経済


世界最古となる約2万年前の土器片を、中国・江西省の洞窟遺跡で発見したと、北京大や米国などの研究チームが29日付の米科学誌サイエンスに発表した。これまで日本を含む東アジア各地で見つかっていた、最古級の土器より2千〜3千年古いという。

 洞窟からは280個以上の土器の破片が出土。多くに焦げた跡があり、チームは「現生人類の祖先が、料理に使ったのではないか」と推測している。

 チームは、破片が見つかった地層を詳しく調べ、地層に含まれる動物の骨や炭などの炭素を解析。古い地層は氷河期とされる1万9千〜2万年前と結論付けた。

 破片は土器の縁の部分などとみられ、厚さ0・7〜1・2センチ程度。表面を滑らかに整えたり、筋で模様を付けたりした破片もあった。

 人類は土器の発明により、食料の備蓄やアルコールの熟成なども可能になったと考えられている。チームは、氷河期の厳しい気候に適応するのに、これらの土器が重要な役割を果たしたとみており、「東アジアの狩猟採集は、農耕より1万年ぐらい早く始まったことを示す」としている。

 日本で最古の土器は、青森県の大平山元1遺跡で出土した約1万6千年前の破片。