Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

ヴェナンツォ・クロチェッティ展

artscene2012-04-11



箱根彫刻の森美術館

〒250-0493 

神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平 1121

TEL:0460-82-1161 
FAX:0460-82-1169 

レストラン・ショップ TEL:0460-82-1141


http://www.hakone-oam.or.jp/crocetti/






彫刻の森美術館では、ヴェナンツォ・クロチェッティ(1913〜2003)の生誕100年を記念して、「生誕100年記念 ヴェナンツォ・クロチェッティ展」を開催します。最初期から晩年の彫刻と素描33点を展示し、60余年にわたる創作の軌跡を展望します。


 クロチェッティは独学で素描の修練に励み、ヴァティカンの美術品修復所で修復家としての修行を積み、彫刻家を志しました。1938年に25歳でヴェネツィアビエンナーレ彫刻大賞を受賞。1966年には、15年の歳月をかけて制作したサン・ピエトロ大聖堂のブロンズ門扉《秘蹟の扉》を完成させ、教皇パウロ6世に祝福される栄誉に浴します。制作活動の一方、ヴェネツィアフィレンツェ、ローマの美術学校の教授を歴任し、日本人を含む多くの後進の育成に尽力しています。


 クロチェッティは女性像を中心に肖像や動物像を手掛け、健やかな女性美や湧き上がる動勢、希望や平和といった崇高な精神を表しました。いのちに対して慈愛に満ちたまなざしをそそぐ一方、絶望や苦しみといった精神の暗部をさらけ出し、"人間"への厳しい問いかけも行っています。また、地中海文化や古代ローマ文化、ルネッサンス等、営々と続く自国の歴史的な源流のなかで、その魅力の再発見と新しい解釈をもとに表現してきました。その作品には、高い技術の習得とひたむきな姿勢がうかがわれます。


【会 期】 2012年3月30日(金)〜2012年6月3日(日)
【会 場】 彫刻の森美術館:マルチホール
【主 催】 彫刻の森美術館/ヴェナンツォ・クロチェッティ財団
【後 援】 外務省/イタリア大使館フジサンケイグループ
【企画協力】 アートシード(ヴェナンツォ・クロチェッティ財団日本事務局)
【出品点数】 彫刻25点、素描8点


作家略歴

1913 イタリア中部のジュリアノーヴァに生まれる

1934 第19回ヴェネツィアビエンナーレの招待作家に選ばれる。その後連続出品
1938 第21回ヴェネツィアビエンナーレにて彫刻大賞受賞
1946 ヴェネツィアの美術アカデミーで教鞭を執る
1950 サン・ピエトロ大聖堂門扉のための国際コンクールで優勝
1956 フィレンツェの美術アカデミーに移り、教鞭を執る
1966 サン・ピエトロ大聖堂門扉が完成するローマの美術アカデミーに移り、教鞭を執る

1992 エルミタージュ美術館がクロチェッティの作品を永久展示する部屋を開設
1993 来日。フジサンケイ・ビエンナーレ現代国際彫刻展(美ヶ原高原美術館)に《海辺を歩く少女》を出品。
作品はのちに彫刻の森美術館に移される
1998〜99 日本で個展が開催される(横浜美術館下関市立美術館/群馬県立近代美術館

2003 ローマで死去
2004 クロチェッティ美術館がローマに開館
2006 日本で個展が開催される(鹿児島市立美術館/イタリア文化会館