盗難のセザンヌ発見=106億円相当、容疑者4人逮捕−セルビア
【ベオグラード】セルビア当局は12日、スイスで2008年に盗まれ、行方不明となっていた後期印象派の巨匠セザンヌの絵画「赤いチョッキの少年」(1888〜90年)をセルビア警察が発見、容疑者4人を逮捕したことを明らかにした。セルビアの検察官によると、見つかった絵画はスイスの専門家によって本物と鑑定された。価値は推定約1億ユーロ(約106億円)という。ベオグラードで警察が容疑者を追跡した末、車の中に隠されていたのを発見した。
4年前にスイスの美術館から強奪されたセザンヌの絵画「赤いチョッキの少年」が、セルビア国内で発見されたことが分かった。両国の当局者が12日明らかにした。作品の価値は1億ドル(約80億円)以上とされ、2008年にチューリヒの美術館から3人組の強盗によって持ち出されていた絵画4点のうちの1つ。
チューリヒの検察当局によると、セルビア警察は首都ベオグラードなどで、強奪に関与した疑いで4人を逮捕した。絵画は自動車のドアパネルから見つかり、スイスの専門家によって本物と鑑定されたという。ベオグラードで記者会見を行った特別検察官のMiljko Radisavljevic氏は、容疑者グループは350万ユーロ(約3億7000万円)程度での売却を目論んでおり、「逮捕前に280万ユーロを手にしていた」と明らかにした。