渋谷ユートピア1900-1945
開館30周年記念特別展 渋谷ユートピア1900-1945
渋谷近代のアーティスト・コロニー(芸術家村)を探索しようとする展覧会。池袋モンパルナス、落合文士村のような多くのそして多彩な芸術家が集まり交歓していた代々木、恵比寿、原宿を見る。
東京が江戸情緒を払拭しつつ近代都市へと変貌していた明治から大正・昭和の時期には、渋谷もまたおおきく様変わりします。新時代の展開にともなって、多くの俊英の美術家たちはここ渋谷に集い、後世に語り継がれるいくつもの美術史が誕生します。東京の中心部に位置する旧市街から新地域への移行という事実は、それ自体がこれからの新しい時代と美術思潮へ向けての青年たちのメッセージだったのでしょう。近代がもたらした都市化によるその周辺にひろがる郊外という場所の発見は、美術の質の転換という面においても大きな契機となりました。東京周辺には幾つもの美術家や文化人が集い交流した土地があります。そうした場所にならんで渋谷をアーティスト・コロニーととらえることも可能でしょう。ここではそれを「渋谷ユートピア」と名付けました。
明治末から昭和戦前までの渋谷に住んだ美術家、あるいは渋谷を描いた画家を取り上げ、美術家たちのユートピア―美の発信地であった、かつての渋谷の姿を再発見しようとするものです。油彩画、日本画、彫刻、版画、詩稿、手紙、ポスター、デザイン画、装幀・挿絵、家具、建築図面など約150点で展望します。
[内容]
序章.逍遙する人―《落葉》と代々木の菱田春草
.岡田三郎助と伊達跡画家村
.永光舎山羊園と辻永
.切通しの道と草土社―岸田劉生の風景
.束の間のユートピア―村山槐多の終焉
.竹久夢二のモダンとおんな
.詩人画家富永太郎の筆とペン
.フォービズムの風―独立美術協会の周辺
. 郊外を刻む―版画家たちの代々木グループ
. 同潤会アパートメントに住む―蔵田周忠と型而工房
.安藤照とハチ公と塊人社―昭和前期の彫刻家たち
.都市の遊歩者―谷中安規と《街の本》
日時 2011年12月5日(火)〜2012年1月29日(日)
前期:12月6日〜1月9日、後期:1月11日〜29日
開館時間 午前10時〜午後6時(入館は午後5時30分まで)
金曜日は午後7時(入館は午後6時30分まで)
休館日 1月10日(火)、16日(月)、23日(月)
入館料 入館料:一般300円、小中学生100円
※土曜日は小中学生無料。60歳以上の方、障がいのある方(付添の方1名)は無料
主催 渋谷区立松濤美術館
ギャラリートーク
1月14日(土)、1月20日(金) 午後2時より
1月28日(土)午後2時より 「ボストン美術館」
歴史連続講座 歴史講座 「渋谷で活躍した美術家たち」
日時=平成24年1月12日(木)〜2月9日(木)全5回 午後2時〜4時
場所=上原社会教育館
対象=渋谷区内在住・在勤・在学で高校生以上
定員=40名
費用=無料
申込=平成23年12月15日(木)〜12月27日(火)午前9時〜午後8時30分(日曜日は午後6時まで)
電話または窓口にて
※19、26日(月)の休館日を除く
連絡先=渋谷区立上原社会教育館 電話03-3481-0301
スケジュール
1月12日(木)「渋谷ユートピアとは」
瀬尾典昭(渋谷区立松濤美術館主任学芸員)
1月19日(木)「代々木の菱田春草と《落葉》」
勅使河原純(美術評論家)
1月26日(木)「辻永と恵比寿の永光舎山羊園」
寺門寿明(前水戸市立博物館長)
2月2日(木)「岸田劉生と《切通之写生》」
蔵屋美香(美術評論家)
2月9日(木)「竹久夢二と恋の逃避行」
谷口朋子(美術史家)