Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

大山崎山荘美術館 (京都 山崎)

artscene2011-03-28



「プリズム・ラグ 手塚愛子の糸、モネとシニャックの色」展
2011年3月17日(木) ー 6月12日(日)


 本展覧会のキーワードは「虹色」。フランスの印象派を代表する「光の画家」とも言われるクロード・モネや、点描を用いた新印象派のポール・シニャックの油彩画にあわせて、美術家・手塚愛子の織物を色糸に分解したり、刺繍の表裏や縫われる前の糸を同時に見せたり、過去の様々な造形物を引用して再構成したりする作品をロンドンで制作された最新作を含めて紹介。


http://www.asahibeer-oyamazaki.com/tokubetu/index.html


 印象派や新印象派は、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の虹色を基本とする絵具をパレット上で混ぜずにカンヴァスに並置することで、視覚の中で光を混合させ明るい画面を作り出す技法である「筆触分割」を用いた。本展覧会では館蔵品の中から、色彩にこだわり「見える」ことを追求した、モネの『睡蓮』連作・『アイリス』やシニャックの『ヴェネツィア』を展示する。  

 美術家の手塚愛子は布と糸を使って、ものが内包する時間的プロセスや歴史的な蓄積といった、表には「見えない」部分をあらわにします。たとえば、織物から引き出された赤・青・緑といった色糸は絵画における原色の絵具を連想させるが、織られたものを素材に戻すことによって、それらが織られた時間をも示していく。これは表面しか見えないがそのなかに多重の層を含み持つ「絵画」の制作から出発した手塚の「解体 - 再構築」の試みといえる。  

 冬が終わり、草木も一斉に芽吹く春。アサヒビール大山崎山荘美術館には、カットグラスがプリズムとなって創り出される虹色の光が満ち溢れる。本展覧会は、「プリズム」が光を虹色に分解するように、普段ものを見ている角度にズレ(=ラグ)を生じさせることによって、通常の視線からこぼれ落ちてしまうものを可視化させ、見る者を新鮮な驚きと喜びに導くよう構成している。


http://www.asahibeer-oyamazaki.com/tokubetu/syosai31/index.html

学芸員によるレクチャー
期間中、毎月第2土曜日(5月14日を除く) 14:00 およそ30分間
場所:当館展示室
学芸員による展示のみどころ解説
参加費:無料 (美術館入館料は別途必要) 事前申し込み不要

アサヒビール大山崎山荘美術館
〒618-0071 京都府乙訓郡大山崎町大山崎小字銭原5-3
TEL:075-957-3123(総合案内) 
FAX:075-957-3126