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円山応挙:空間の創造 (三井記念美術館)

artscene2010-11-10


円山応挙の作品を集めた展覧会が、三井記念美術館で開催。

 2010年10月9日(土)〜11月28日(日)
 
 三井記念美術館
 東京駅日本橋口、および神田駅南口から徒歩
 三越本店前、日本橋三井タワー内。

 展示期間で差し替えあり。
 前期 10月9日〜11月7日
 後期 11月9日〜11月28日
 
 18世紀京都画壇の巨匠、円山応挙(1733-1795)。応挙は「遠近法」も知らなかった時代に絵画という平面の中に奥行きのある立体的な世界を描きだした。「空間の画家」応挙が青年期に遠近法を習得するきっかけとなった眼鏡絵、画風大成期の屏風や襖など大画面作品まで。

 ※音声ガイド(1台500円)

 円山応挙は、享保18年(1733)現京都府亀岡市の農家の次男として生まれ、10代で上洛して狩野派の石田幽汀(ゆうてい)に画を学んだ。若き日には玩具商・尾張屋勘兵衛のもとで人形の彩色などに従事している。尾張屋では、西洋銅版画を手本に覗きからくり用の眼鏡絵を描くうちに、その遠近法を腕に染み込ませ、奥行き感ある表現の基礎を築いた。

 応挙は、明和2年(1765)頃から三井寺(みいでら)円満院の祐常門主(ゆうじょうもんしゅ)の寵恩を得る。祐常は公家の二条家出身で、当時の知識層を代表する一人。祐常は『萬誌(ばんし)』という日常の諸事万端を記録した書物を残したが、その中には応挙の大画面絵画に対する考え方も書き留められており、そこで応挙は、近くで鑑賞する絵画と、遠くから見て真価を発揮する「遠見の絵」とを区別する。

 寛政7年(1795)に没するまで、旺盛に大画面作品を描き続け、代表作としては、京都・金剛寺、和歌山・草堂寺、兵庫・大乗寺などの寺院の障壁画や、また屏風では、「雲龍図屏風」、「雨竹風竹図屏風」、「藤花図屏風」、「雪松図屏風」などが知られる。

 本展では、三井記念美術館のマスターピース 《国宝 雪松図屏風》 も会期いっぱいまで展示される。