Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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中国青銅器の時代 

artscene2013-11-25


2013年10月26日 − 12月15日 Sun



中国古代において、青銅器は単なる実用品ではなく、祀りや儀式に用いられました。そこで用いられた青銅器は、大切に扱われ、祀りの道具としてだけではなく、次第に権威を象徴するものと考えられるようになりました。
青銅器には、食べ物を調理しお供えする食器、お酒をお供えする酒器、音楽を演奏する楽器などがありますが、それらは、祀りの器であるがために、実用性を無視した造形をとるものも見られます。また表面を飾る文様も、動物をモチーフとして驚くほどヴァラエティ豊かにデザインされ、華麗で且つ精密に表現されています。さらに、青銅器には文字を入れたものが多く見られます。そこに記された文字は、現在の漢字の原形となったものですが、その内容はさまざまです。なかには当時の政治社会状況にふれたものもあり、貴重な歴史資料となっているものも少なくありません。
このような青銅器の造形・文様・文字は、千年以上の長い期間のなかで、少しずつ変化していきました。展示では、青銅器のうつりかわりを4室に分けてご紹介いたします。






第1展示室 商時代の青銅器
中国では商時代(紀元前17世紀頃〜紀元前11世紀)より、青銅器が本格的に製作されはじめしたが、なかでも容器や楽器は、日常の実用具ではなく、祭祀用具として用いられました。この時代はとくに酒に関する器が発達し、飲酒器・温酒器・盛酒器など多様な酒器が出現します。また、それらの表面には、神に通じる存在として神格化された動物が表現されています。とくに怪獣の顔面を表現した饕餮文(とうてつもん)は、この時期を代表する文様で、当時の最高神を表現したものといわれています。そのほかにも、龍や鳳凰など中国を代表する文様の原形がみられます。


第2展示室 西周時代の青銅器
西周時代(前11世紀〜前771年)になると、青銅器の種類や文様が少しずつ変化していきます。種類では、酒器が減少して、かわりに食器や楽器が増加します。文様も簡略化していき、とくに後半期にはいると抽象的な幾何学文様が流行します。この頃から文様にかわって銘文が重要視されるようになります。その内容は多岐にわたりますが、祖先を祀る宝器であることを明示するほかに、とくに王などの支配者との関係を明確にすることに重きをおきました。青銅器は、社会的地位を保証する宝となり、さらには権威・権力を象徴するものとして扱われました。


第3展示室 春秋戦国時代の青銅器
春秋戦国時代(前770年〜前221年)は、周王朝の権威が衰退して、その家臣である諸侯が大きな力を持つようになります。次第に独立国家としての体裁を整えるようになり、国家間の争いが激しくなりました。それにともなって、青銅器も新しい独自のスタイルへと変化していきました。とくに、紀元前6世紀の春秋時代中頃には、様々な新技術が取り入れられ、これまでにない形の青銅器が出現します。蝋型を使用することによって複雑で自由な立体造形が可能となり、さらに表面の文様装飾に金銀玉象嵌が用いられ、豪華に装飾された器が出現しました。


第4展示室 漢・唐時代の青銅器
漢時代になると、青銅器は祭祀用の器としての性格を失い、高級実用器として用いられるようになります。それにともなって造形と文様が大きく変化し、とくに文様では奇怪な動物文が姿を消してシンプルなものになります。この青銅器にかわって、青銅鏡が単なる姿見ではなく、現世での様々な願いをかなえる道具として珍重されました。とくに紀元前1世紀頃から、鏡の効力を保証するかのように当時考えられていた天界の神々や霊獣を描き出す鏡が出現します。このような鏡は日本にも輸入され、日本文化に大きな影響を与えました。



〔休館日〕月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)  Close on Monday




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休館日
月曜日
開館時間
午前10時〜午後4時30分(入館は午後4時まで)


入館料
一般 520円
高・大学生 310円
中学生以下 無料

駐車場
専用駐車場はございません