Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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新井淳一の布・伝統と創生

artscene2013-02-24






新井淳一の布 伝統と創生
ARAI Junichi Tradition and Creation



期間:2013年1月12日[土]─ 3月24日[日]


会場:東京オペラシティ アートギャラリー 

http://www.operacity.jp/ag


交通アクセス 新宿から京王新線で3分、初台駅 1分。


開館時間:11:00 ─ 19:00(金・土は20:00まで/最終入場は閉館30分前まで)


休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)


入場料:
一般1000[800]円、大・高生800[600]円、中・小生600[400]円


同時開催:「収蔵品展043 自然の表現 わが山河 Part IV」、「project N 51 阿部未奈子」の入場料を含みます。
 収蔵品展入場券200円(各種割引は無し)もあり。
*( )内は15名以上の団体料金


*その他割引(半額):
閉館1時間前以降の入場、65歳以上


*土・日および祝日は中学・小学生無料。
障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
*Arts友の会会員は無料。(会員証をご呈示ください)
*割引の併用および払い戻しはできません。



主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団/東京新聞


協賛:ジャパンリアルエステイト投資法人NTT都市開発株式会社
助成:芸術文化振興基金


協力:尾池テック株式会社/日本特殊光学樹脂株式会社/美術照明サムサラ/公益財団法人 三宅一生デザイン文化財
企画協力:マンゴスティン


会場構成:Dorell.Ghotmeh.Tane / Architects


問い合わせ:
東京オペラシティ アートギャラリー tel. 03-5353-0756







新井淳一(1932-)は織物の町、群馬県桐生市に生まれました。高校を卒業し、家業の織物業に従事する中、伝統的な布作りとともに、早くから新しい染織に加工を施した布の創作へと向かいました。糸の開発・染色・織・加工を通じて布の多彩なテクスチャーを生み出すその仕事は、国内外の素材メーカーや加工業者との連携のもとに行われてきました。
プラスチックフィルムを素材とする金属糸で織り上げた超軽量の布。それを伝統的な絞り染めの技法を使って薬品で部分的に溶かし、透明と反射を共存させた布。また、ウール100%の布を長時間水洗いすることで生まれる量感あるフェルト。布作りの常識にとらわれず、その原点を見つめることから生まれる新井の布は、常に見る者を驚かせます。
新井はファッションとの関わりでもその名を広く世界に知られるところとなりました。1970年代から80年代にかけて、三宅一生川久保玲ら、日本を代表するファッションデザイナーとの妥協のないものづくりの協働は、新井の制作の領域を拡大させていきました。



本展は新井淳一の60年に及ぶ仕事の全貌を紹介する大規模な個展です。新作を含む多様な技法による布約60点を展示し、伝統的な手仕事を起点に新しいテクスチャーの創造に取り組んできた新井の発想を浮かび上がらせます。展示構成はパリを拠点に活動する建築家ユニットDGT(ドレル・ゴットメ・田根/アーキテクツ)の田根剛が担当。ダイナミックなインスタレーションにより、空間の中で自在に形を変える布を体感していただくほか、新井自身の言葉などを映像と音による空間演出で紹介します。

http://www.dgtarchitects.com/news/en


一枚の布に込められたものづくりの思想は、私たちに新たな創造のインスピレーションをもたらしてくれることでしょう。





ギャラリー1:
新井淳一の多様な技法による布と、制作にまつわる様々なものを展示します。

会場に入ると、ほの暗い空間にとりどりの布が水平に広がっています。布の一枚一枚に柔らかな光が当たっては消え、まるで呼吸しているかのようです。またISSEY MIYAKEと新井の協働による1983 ─ 85年のパリ・コレクションの映像、新井の制作過程を映した映像のほか、布の原料となる鉱物の原石、糸、布作りのための素材・道具が制作の奥行きを示します。自由に触れて風合いを確かめることができる布や、布の組織を拡大して見る装置など、新鮮な視点によって、新しい布を生みしてきた新井の先鋭的な発想を紹介します。



ギャラリー2:
ダイナミックなインスタレーション作品と布の森。新井の布を体感する空間です。

まず鑑賞者は巨大な渦の中に取り込まれます。迷路のような渦を出ると、あでやかな色彩の布、金属糸を使った布の森が現われます。ここでは伝統的な絞り染めの技法を中心とした新井の多様な表現をご覧ください。布の表と裏、わずかな空気の動きにも揺れる軽さやしなやかさ。独創的な新井の布作りとともに、普段は気にとめることのなかった布のもつ性質をあらためて知る機会にもなるでしょう。



新井淳一
ARAI Junichi

1932群馬県山田郡境野村(現桐生市)生まれ
1960第1回化学繊維グランドフェアで通商産業大臣賞を受賞
1983第1回毎日ファッション大賞特別賞
1984アクシスビル地下一階に「NUNO(布)」を開店
「布空間・布人間 新井淳一作品展」、佐賀町エキジビット・スペース、東京


1987英国王室芸術協会よりオノラリー・ロイヤル・デザイナーズ・フォー・インダストリー(Hon. R.D.I.)の称号を授与
2003ロンドン・インスティテュート(現・ロンドン芸術大学)より名誉博士
新井淳一 布展—透明と反射—」、高崎市美術館


2005「新井淳一 進化する布」、群馬県立近代美術館
2009「Innovative Cloths—Junichi Arai」、香港理工大学美術館

2010「Metallic Sound」、ボニントン・ギャラリー、ノッティンガム
新井淳一の布—50年の軌跡」、清華大学美術学院
2011英国王立芸術大学院(Royal College of Art)より名誉博士
パブリックコレクション:ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館(ロンドン)、ニューヨーク近代美術館メトロポリタン美術館(ニューヨーク) 他