Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

幻のゴッホ展―パリ時代のゴッホ、空白の2年間― Van Gogh in Paris : New Perspectives

artscene2012-08-07



http://www.huistenbosch.co.jp/event/gogh



2012年7月29日(日)- 10月28日(日)

ハウステンボス美術館(パレス ハウステンボス内)


長崎県佐世保市ハウステンボス町

Time : 9:00-20:00 入場は閉館の30分前まで

休館日 開催期間中は無し

後援
オランダ大使館、オランダ総領事館、オランダ政府観光局、長崎県、他


企画
ゴッホ美術館 、財団ハタステフティング


協力
紀伊國屋書店


お問合せ
総合ナビダイヤル TEL.0570-064-110

長崎 ハウステンボス (タビハナ) (タビハナ―九州)

長崎 ハウステンボス (タビハナ) (タビハナ―九州)

長崎・ハウステンボス・五島列島 (楽楽)

長崎・ハウステンボス・五島列島 (楽楽)





オランダのゴッホ美術館より、日本初公開となる作品が登場します。その数なんと36作品。 これだけの数、ゴッホの日本初公開作品が揃うのは日本史上初のことです。展示作品の約7割が日本初公開作品という前代未聞の展覧会となります。

ゴッホが生涯に描いた自画像39点のうち、8点がハウステンボスに揃います。これも日本史上初。さらに、これまで自画像とされてきた、弟テオの肖像画も初公開となります。

展示する51点52作品中、51作品がゴッホが描いた作品、残り1点はジョン・ピーター・ラッセルが描いたゴッホの肖像です。これだけの数、ゴッホに限った作品ばかりの展覧会は大変貴重な機会となります。


パリでゴッホは、街の眺望も描いています。全部で5点あり、そのうち2点はパノラマです。弟テオと暮らしたアパルトマンからは、連なる屋根のパリの景色を表通りに面した居間やテオの寝室から一望できました。



ゴッホの作品は、大胆で鮮やかな色づかいで知られています。彼は、新しく登場した絵具を研究し使い始めました。彼にとって、色彩はきわめて重要でした。しかし、品質の悪い画材が作品を劣化させており、もともとの色彩のコントラストを弱めています。

《ヒバリの飛び立つ麦畑》として知られる作品があります。軽やかな歌声で知られるヒバリは、ロマンティックな自然の喜びを表すシンボルとして、ざわざわと風に揺れる麦畑によく合います。しかしこの小鳥は大きさや、黒い頭部からヤマウズラであることがわかりました。


ゴッホの自画像とされていた作品が、弟テオの肖像画だったと長年の研究からわかりました。目の色、耳の形、頭の特徴などから判明したのです。確かに、パリで暮らした2年間、兄が弟の絵をまったく描かなかったのは不自然です。弟は、どうやら兄の帽子をかぶっていたようです。



ゴッホはパリ時代、様々な素材を画面として使用しています。豊富な選択肢の中で、彼は規定サイズのキャンパスを好んで使いました。また、安価な「カルトン」と呼ばれる厚紙や木材を使うなど徹底的に創造性を探求した時期であったと言えます。


パリに着いてゴッホは、新しい環境を探索し始めました。初めはデッサン、やがて油彩画を描くようになります。ゴッホのお気に入りはモンマルトルの丘。彼は、売れる作品を描こうと何度も描写しています。バルビゾン派を思わせる形式と技法で生き生きと描き、芸術的な興味も広がっていきました。



パリでのファン・ゴッホは、題材を素早く描くため、きめの細かいキャンバスと絵具が速く乾くような高い吸収性のある下地を好みました。水彩のような薄い描き方ではなく、様々な場面を描写するために、分厚く絵具を用い、筆致や絵具の粘性にも変化をつけました。



ロートレックらと知り合ってからファン・ゴッホは、絵具を薄く塗り、製図のように描き始めました。作品に、線、輪郭線、ハッチング、筆触や点描が見られるようになり、画面には光と色彩が際立つようになりました。



ゴッホが自画像を描き始めたのはパリに来てからのことです。彼は、多くの自画像を描くことで人物描写の修練となりました。ちょうど発見したばかりの色づかいやタッチの新たな可能性を試すことができました。



1887年晩夏、ゴッホは突然、戸外での制作に終止符を打ちました。アトリエにこもり、過去から逃れるように明るい色を探し求め、徹底して画風の確立を目指しました。一つのやり方や一つの答えに終始せず、常に装飾的な効果と絵画的な筆づかいの組み合わせを探求していたのです。


もっと知りたいゴッホ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたいゴッホ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)