Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

FLOWERSCAPES フラワースケープ ―画家たちと旅する花の世界

artscene2012-05-27

アンリ・マルタン 

《画家の家の庭》 1902年



佐倉市 DIC川村記念美術館
千葉県佐倉市坂戸631番地
0120-498-130



JR総武快速線エアポート成田で「佐倉駅」下車<約60分>
南口のDIC川村記念美術館バス停より無料送迎バス<約20分>
佐倉駅からタクシー利用の場合は約3000円かかります)

JR東日本の時刻表


京成本線特急または快特の成田方面行きで「京成佐倉駅」下車<約60分>
南口「シロタカメラ」前より無料送迎バス<約30分>
京成佐倉駅からタクシー利用の場合は約3500円かかります)

京成電鉄の時刻表


京成本線特急または快特で「京成佐倉駅」下車<約30分>
南口「シロタカメラ」前より無料送迎バス<約30分>
(京成スカイライナー、JR成田エクスプレス佐倉駅に止まりませんのでご注意ください)






ジョージア・オキーフ
タチアオイの白と緑―ペダーナル山の見える》
1937年
東京国立近代美術館
©東京国立近代美術館 2012


2012年4月28日(土)―7月22日(日)


開館時間
午前9時30分−午後5時
(入館は午後4時30分まで)


休館日
月曜日
(ただし7/16は開館)、7/17


主催
DIC川村記念美術館




いつの時代も芸術家たちは自然に向き合い、あるいは想像力を駆使して花を描いてきました。彼らが独自の視点と手法によって描いた花々は、現実とは異なるイメージの力によって私たちを魅了します。本展では花の描かれた絵画空間を「FLOWERSCAPES(フラワースケープ)」と名付け、9つのセクションを巡りながら、描かれた花々に秘められた豊かな可能性を探ります。





郊外の田園地帯に広がる花畑。街角や庭先に咲く花々。印象派やそれに続く西洋近代の画家たちは、野に咲く花々に自然や季節の美しさを見出し、生活の中で花を愛でる喜びを描き出しました。


アンリ・マルタン
《画家の家の庭》 1902年
東京富士美術館



アンディ・ウォーホルとロイ・リキテンスタイン。現実の花と向き合うことなく、既存のイメージを参照・利用して描かれたポップ・アートの作品からは、「花の絵画とは?」という疑問が浮かび上がります。


アンディ・ウォーホル
《花》 1970年
DIC川村記念美術館
©2012 The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts /
ARS, N.Y. / SPDA,Tokyo



花の絵画の最高傑作として後世の芸術家に影響を与えたボッティチェリの《春》。数々の画家によって描かれたきた花の女神フローラ。ふたつのイメージを手がかりに、花の絵画の歴史と伝統を振り返ります。


福田美蘭
《ゼフィロスから見たクロリスとフローラと三美神》 1992年
高松市美術館
©Miran Fukuda 2012



もし花の静物画に魅せられた愛好家がいたら? 実在しない架空の収集家の部屋に見立てた展示室で、「花瓶の花」をめぐるコレクター氏の蘊蓄に耳を傾けてみましょう。


ヴィクトリア・デュブール
《花》 制作年不詳
国立西洋美術館(松方コレクション)



気高く咲く百合は女王様。華やかなダリアはお洒落さん。ヒマワリ君はお天道様を拝み、スミレ娘たちは寄り集まって内緒話。3つの挿画本に描かれた花の王国の住人たちの不思議な世界を覗いてみます。


J.J. グランヴィル
《生命ある花々》より〈ヒマワリ〉 1867年
栃木県立美術館



瀧口修造澁澤龍彦の著書の挿画・装幀を手がけ、コラージュの手法で制作する作家、野中ユリ。原初の混沌、あるいは寓話的世界に不意に挿入される花のイメージは、見る者に鮮烈なインパクトを与えます。


野中ユリ
《夢の地表 II 李朝尺》 1978年
神奈川県立近代美術館寄託
©Yuri Nonaka 2012



大正時代に三越の図案部に所属しポスターなどを手がけた杉浦非水の代表作《非水百花譜》。植物学によって裏付けられた客観的な描写を、豊かな装飾性を兼ね備えた絵画芸術へと昇華させる画家の眼と手法に注目します。


杉浦非水
《非水百花譜》 (1920-1922年)より
〈あぢさゐ〉
宇都宮美術館



静謐な空間に息づく花。花の断片で覆われた画面。風景の中に出現する花。生涯を通じて繰り返し花を描く「花の画家」。画家たちが差し出す花々は、私たちの記憶や感覚と交錯して新たなイマージュを開花させるでしょう。


郄島野十郎
《百合とヴァイオリン》 1921-26年頃
目黒区美術館



1985年に38歳で早世した画家、有元利夫の作品には浮遊する花や花片が描かれます。どこからともなく降り注ぎ、澄んだ眼差しの人物たちの手からこぼれる花々は、普遍的な「ひと」のいる世界に至福と高揚の感覚をもたらします。


有元利夫
《花と人》 1973年
三番町小川美術館
© Yoko Arimoto 2012


有元利夫
《花降る日》1977年
三番町小川美術館
© Yoko Arimoto, 2012



[出品作家]
アンリ・ファンタン=ラトゥール、ピエール・オーギュスト・ルノワールアンリ・ルソー、アンリ・ル・シダネル、ポール・セリュジエ、フランク・ブラングィンモーリス・ドニマリー・ローランサンモイーズ・キスリング、ロイ・リキテンスタイン、ジム・ダイン、ホセ・マリア・シシリア、川村清雄、藤田嗣治岸田劉生長谷川潔、椿貞雄、岡上りう、三岸節子東松照明、三木富雄ほか


※会期中に展示替えがあります。





5月5日(土) 14:00-16:00

講師:京谷啓徳(九州大学大学院人文科学研究院 准教授)
花の絵画の最高傑作として名高いボッティチェリの《春(プリマヴェーラ)》。本展にも《春》にインスピレーションを受けた作品が出品されています。人々を魅了する巨匠の秘密を美術史的アプローチにより徹底解剖していただきます。



5月19日(土)11:00-16:00 ※雨天の場合は20日(日)に順延
ゲスト:アートテラー・とに〜

美術館を抜け出して、ピクニックをしましょう。展覧会がより楽しくなる、とに〜さんのオリジナル紙芝居を見たり、アートの楽しみ方についておしゃべりしたりしませんか。シートとおやつを持参しての参加は大歓迎。ヘンリー・ムーアの彫刻のある広場に、お気軽にお立ち寄りください。


とに〜 http://ameblo.jp/artony/

日本でただ一人のアートテラー 。難解で、敷居が高い。そんな美術のイメージを払拭するべく、独自のバラエティ的な視点で、面白くおかしく、美術を語る職業です。これまでに、森美術館をはじめ、数多くの美術館でトークイベントを担当。カルチャーセンターの講師やライター、アートツアーのアテンダントとしても活動中。




「花の展覧会のつくり方」
6月2日(土)14:00-16:00
芦田彩葵(熊本市現代美術館)
冨田康子(横須賀美術館
宮澤政男(Bunkamuraザ・ミュージアム


近年話題となった花の展覧会の担当学芸員の方々をお招きし、それぞれの企画の生まれた経緯やキュレーションの秘密などについてお話を伺います。


4月28日(土)・6月9日(土)・7月7日(土)14:00-15:00
本展担当学芸員が展覧会の解説を行います。
先着60名|14:00エントランスホール集合


講演会・トーク開催日を除く開館日 14:00-15:00
ガイドスタッフがコレクション展示と展覧会をご案内します。


イヤホン解説。展覧会とコレクションの解説をお聞きいただけます。 1台500円。