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中国送還恐れ、宝飾品贈呈=満州皇帝溥儀がソ連に


中国送還恐れ、宝飾品贈呈

満州国皇帝、溥儀がソ連に ロシア公文書


 時事 3月2日(金)


 日本の傀儡(かいらい)国家だった満州国(1932〜45年)の皇帝を務め、中華世界の「ラストエンペラー」として知られる愛新覚羅溥儀が第2次大戦後のソ連抑留中、個人資産の宝飾品をソ連政府に贈呈し、ソ連に残留できるよう働き掛けていたことが、ロシア国立軍事公文書館に保管されている文書で1日までに分かった。中国への送還を恐れ、ソ連当局の歓心を買おうとしたとみられる。


 この文書は1946年5月にソ連内務省スターリンに提出した機密報告書。同年4月、極東ハバロフスクに抑留されていた溥儀が「ソ連政府による満州解放に感謝し、自分が所有する宝飾品の贈呈を申し出た」としている。その際、溥儀は「ソ連に居住し、教育を受けたい」との希望も伝えた。宝飾品は当時の貨幣価値で47万5000ルーブル(同約10万ドル)相当と評価された。


 溥儀は日本の敗戦直後の45年8月、日本への亡命途上で満州奉天瀋陽)郊外の飛行場で侵攻してきたソ連軍部隊に身柄を拘束され、チタを経由してハバロフスクに護送された。5年間抑留された後、結局、50年に中国に送還され、ソ連への働き掛けは役に立たなかった。宝飾品がどのように処分されたかは不明。