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イスラム圏に衝撃 エジプトの女子大生がヌードを公開

 イスラム圏にありながら裸体を披露しているのはエジプト・カイロのアメリカン大学でメディアアートを専攻しているアリア・アル・マディ(Aliaa al-Mahdy 20)。彼女が自身のブログに掲載したもの。大きな反響を呼んでいる。ジャスミン革命以降、急激に民主化が進みながらもエジプトは代表的なイスラム国家。女性が自分でヌードを公開することは前代未聞の衝撃的事件として扱われている。

 http://arebelsdiary.blogspot.com/



 アリアは

 「これは芸術ヌード写真」

 「表面では禁欲を強要しながら暴力・人種主義・性差別・セクハラなどが蔓延した偽善的なイスラム社会に警鐘を鳴らしたかった」

 「どこでも自由に生きる権利がある」

 「完全な自由を感じる時こそ幸せだ」

  と訴える。


 しかし、彼女のこの行動は、保守と進歩陣双方の非難を呼び起こしている。エジプトの宗教保守団体は「非道徳的で、社会の通念を打破する行為だ」として彼女を非難しており、進歩陣営も大衆的人気を集めている状況で“悪材料”として作用しないか戦々恐々としている。また、インターネットでも、彼女を「売春婦」など、露骨に非難するコメントが溢れている。

 
 ムスリム女性のヌード写真の流布はエジプトでは前例のない衝撃的事件だとNYDNは評した。 だが、同時に、彼女の挑発的写真が西欧国家ではそれほど大きい関心を引けずにいると伝えた。アリアはエジプトの首都カイロにある芸術学教の美術学徒として、イスラム保守勢力のヌードモデルスケッチ禁止法令に不満を持っていた事が分かった。


 最近までエジプト女性は他のアラブ地域より相対的に高い自由を享受したが、ホスニー・ムバーラク前エジプト大統領の追放でムスリム兄弟党などイスラム原理主義者などが権力を掌握して与党縮小に対する憂慮が強まっている。