Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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山梨、栃木

artscene2011-11-22




特別展
「浅川巧(たくみ)生誕百二十年記念 浅川伯教(のりたか)・巧(たくみ)兄弟の心と眼−朝鮮時代の美−」



新しい美の発見。それまで見向きもされなかった“李朝”−朝鮮時代の陶磁器や工芸品が、1920年代以降、一躍注目を浴び、多くの陶芸家、研究者、愛陶家の眼を見開かせました。その過程で先駆者的な大きな役割を果たしたのが、浅川伯教(1884〜1964)・巧(1891〜1931)の兄弟でした。



植民地期(1910〜45)の初期に朝鮮半島へ渡った二人は、朝鮮家屋に居をかまえ、現地の人々に溶けこみながら暮らします。そして伯教はやがて朝鮮陶磁研究の第一人者となり、また弟の巧も、陶磁器および朝鮮の木工品について名著を残しました。一方で兄弟は柳宗悦(1889〜1961)に大きな影響をあたえ、柳の朝鮮美術工芸への案内役となります。そこに富本憲吉、河井?次郎、濱田庄司らが加わり、後の「民藝」誕生へとつながりました。



戦後、浅川兄弟の名はほとんど忘れられたままでした。本展は、浅川兄弟や柳宗悦が選び抜いた旧朝鮮民族美術館のコレクションをはじめ、ご遺族からの寄贈品、伯教作の絵画資料や陶芸作品、柳自筆の原稿など約200点を通して、近年再評価の気運が高まる浅川兄弟の事跡を、はじめて体系的に紹介するものです。朝鮮の文化や芸術を心から愛し、研究し、優れた鑑賞眼をつちかった浅川兄弟の真価を問う、大きな契機となることでしょう。

特別展「浅川巧(たくみ)生誕百二十年記念 浅川伯教(のりたか)・巧(たくみ)兄弟の心と眼−朝鮮時代の美−」
企画展:朝鮮民芸を伝えた浅川兄弟−−県立美術館 /山梨



 日本の植民地支配下の朝鮮に暮らし、朝鮮民芸の美しさを日本に伝えた県人、浅川伯教(1884〜1964)と巧(1891〜1931)兄弟を紹介する企画展「浅川伯教・巧兄弟の心と眼−朝鮮時代の美」が19日、県立美術館(甲府市貢川1)で始まる。来月25日まで。


 伯教は小学校教員として1913年に、巧は朝鮮総督府山林課職員として翌14年に、それぞれ朝鮮に渡り、陶磁研究に功績を残した。


 企画展では、兄弟が所蔵していた18世紀の朝鮮白磁などを展示。また、兄弟が使った朝鮮製木製家具など生活道具、伯教の研究ノートや絵画など約200点も展示する。同館の春原史寛学芸員は「日朝の懸け橋となった山梨県の偉人を知ってほしい」と話す。
 来年は巧の生涯を描いた映画「道〜白磁の人〜」が日韓両国で上映予定。18日には巧役の俳優、吉沢悠さん(33)が来館し、春原学芸員から説明を受けた。吉沢さんは「朝鮮白磁は質素で日本のわびさびに通じる。感性を磨きに来館してほしい」と話した。


 午前9時〜午後5時。休館は今月24日と毎週月曜(11月21日は開館)


 一般1000円、大高生500円、中小生260円。


 問い合わせ
(電話055・228・3322)




なお、本展覧会は以下の美術館に巡回致します。
平成23年8月9日(火)〜10月2日(日) 千葉市美術館
平成23年11月19日(土)〜12月25日(日) 山梨県立美術館
平成24年1月14日(土)〜3月20日(火) 栃木県立美術館