上野・国立西洋美術館(常設展示)
ルカス・クラーナハ(父)
《聖アントニウスの誘惑》
1506年 木版
2011年3月12日(土)- 6月12日(日)
http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
アルプス以北で活動した近世の画家たちは、外界の自然を忠実に描写することに長けていた。そこに描き出された「自然」の多くは様々なファンタジーを織り込んだ想像的な世界でもあった。
未開の原始的風景への憧れを思わせる15、16世紀のドイツ絵画の世界観。あるいは、人間的なスケールを遥かに超え、世界のあらゆる要素を包括してしまうかのように構成されたフランドル絵画の「世界風景」。そして、そもそも本展で扱う版画というメディアが、絵画や彫刻と比べて大衆的な欲望や想像力を反映しやすかったことも忘れてはならない。
近世の北方版画には、人間の愛欲をユーモアある風刺とともに視覚化した「不釣り合いなカップル」という図像や、死や罪への意識を教訓的に表わした寓意画などが盛んに描かれた。
一見したところ自然主義的に描写されている物語場面においても、そこに登場する人物たちの行為や表情が、どこか戯画化されているように映る場合が少なくない。
「奇想」と「自然」が交叉し、「奇想」が「自然」と化すようなイメージ世界に注目しながら、15世紀末からおよそ「レンブラント以前」にいたる北方版画の展開を、当館の所蔵作品46点によって辿る。
奇想の自然−レンブラント以前の北方版画
2011年3月12日(土)- 2011年6月12日(日)
上野・国立西洋美術館 版画素描展示室
上野駅 歩3分
開館時間:午前9時30分 - 午後5時30分(入館は午後5時まで)
会期中無休。
金曜日の夜間開館(午後8時まで開館)については、当面の間、中止。
入館は閉館の30分前まで
観覧料金:一般420円、大学生130円
常設展の観覧券でご覧いただけます。
20名以上の団体は半額。
高校生以下及び18歳未満、65歳以上は無料(入館の際に学生証または年齢の確認できるものを提示)
心身に障害のある方及び付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳を提示)