Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

川崎市・中村正義の美術館

artscene2011-02-24



中村正義の美術館で「中村正義 顔の世界」展が開催。

 名古屋で生まれた正義は、麻生区細山の地を第2の故郷として愛した。

 
 「北に裏山があること。南側が広く開けていること。竹やぶがあること。」

 
 という、正義の3つの条件を満たした土地の茅葺き屋根の家はのちに改築されアトリエで多くの作品が描かれた。長女の倫子(のりこ)さんは、

 
 「細山に住み始めたのは、私が4歳のころ。バスは終点で降りて、舗装されていない人気のない道をテクテク歩いた。」

 と懐かしそうに話す。
 
 1977年、正義が52歳で亡くなるまで住んだ家は、88年から個人美術館として春と秋に一般公開されている。

 
 22歳で初出品した作品《斜陽》が日展で初入選、36歳で日展審査員に推挙され、天才画家と言われた正義。伝承されたやり方には満足せず、常に新しい、自分だけの作品を描くことを希求し続けた正義は多くの『顔』を描いたが、それらは人に見せるために描かれたものでもなく、むろん発表することも考えずに描かれた『顔』。全て自画像という『顔』である。


 「それこそ、日記を書くように、毎日描いた『顔』が床一面に並べられていた。」

 
 「作品というか、あまりにも日常的であたりまえのように自宅に絵があったので、当時はコワイとも何とも思わなかった。」


 幼い頃の記憶を彼女はそう話す。
 
 ある時は菩薩、舞妓、仙人と、見る人によっても印象が異なる『顔』。用いた画材もバラエティーに富んでいる。岩絵の具はもちろん、油絵の具、墨、パステル、蛍光塗料…。画材による感じ方の違い、盛り上がって立体的に感じるほどの絵の具を使って描かれた『顔』を眺め、正義へ思いを馳せながら、自分と向き合うのも良いかもしれない。


 穏やかな細山の空気に包まれる美術館。ゆっくりと時間を掛けて『顔』を観ながら、正義が愛した庭のそばで正義の心を感じたい。

 春、秋との2回に分けての企画展となる。11月に正義をモデルにした映画が公開予定。


 http://www.nakamuramasayoshi.com/
 http://www.senstone.co-site.jp/masayosi/

 中村正義・顔の世界展

 2011年3月4日(金)-5月29日(日)
 11時−17時 (金・土・日・祝日)
中村正義の美術館

 本展では、『中村正義・顔の世界』展と題して、正義が「その全ては自画像」と言う作品の数々を一堂に展示いたします。

電話   044-953-4936
ファクス 044-953-4966

 2012年2月19日から4月1日は練馬区立美術館に巡回。

 
 開館期間
◇春の開館…3・4・5・月
◇秋の開館…9・10・11月

 開館日
 金・土・日・祝日

 開館時間
 午前11時〜午後5時まで (夏・冬は閉館しています)

入館料
◇ 一般…500円    
◇ 学生…300円
◇ 小中生…200円
◇ 65才以上…300円

 10名以上の団体料が50円引き。

〒215-0001
神奈川県川崎市麻生区細山7-2-8

京王線京王よみうりランド駅、または小田急線・よみうりランド駅、百合ヶ丘駅発着

京王バス 細山バス停から5分