Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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「渡辺千尋  −復刻の聖母−」展

artscene2013-08-21

2013年11月30日(土曜 Sat)− 2014年2月9日(日曜 Sun)


復刻版≪セビリアの聖母≫1996年




 銅版画家、渡辺千尋(わたなべ・ちひろ/1944−2009)は、東京に生まれ、長崎に育った。1963年、桑沢デザイン研究所に入学。しばらくはグラフィックデザインや挿絵、装丁の仕事に携わったが、1978年に銅版画と出会い、ビュランによる制作を始める。1979年には「第47回日本版画協会展」に初出品、「日本版画協会奨励賞」を受賞した。以降、銅版画家として活躍、プラハ国立版画美術館に「《象の風景》シリーズ」が買い上げとなった。


 銅版画家としての活動の一方で、『ざくろの空―頓珍漢人形伝』(1994年、第1回蓮如賞受賞)などを著し、文筆家としても活躍する。また、1996年には長崎県高来郡有家町(現・南島原市)の依頼によって、16世紀末頃の銅版画とされる《セビリアの聖母》の復刻に着手。その道程を、『殉教の刻印』(2001年、第8回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞)としてまとめた。2009年に没するまで、多方面にわたる精力的な制作活動を続けた。本展では、この復刻の《セビリアの聖母》に焦点をあてながら、渡辺の画業を紹介する。


復刻版《セビリアの聖母》(1996年)エングレーヴィング



象の風景−Mダム地区(1979年)エングレーヴィング

午後の光景(1979年)エングレーヴィング



開催案内

【タイトル】「渡辺千尋 −復刻の聖母−」展
【会期】2013年11月30日(土曜)から2014年2月9日(日曜)   
【休館日】毎週月曜(但し、12月23日、1月13日[月曜・祝日]は開館、翌日休館)、
年末年始 12月29日[日曜]〜1月3日[金曜]
【開館時間】午前10時〜午後6時 ※入館は午後5時30分まで
【協力】長崎県南島原市
【会場】練馬区立美術館2階展示室
【観覧料】無料

象の風景−N村地区(1979年)エングレーヴィング
関連イベント(いずれも事前申込不要)

(1)ゲスト・トーク
日程:12月21日(土曜)14:00〜1時間程度
中林忠良氏(東京芸術大学名誉教授・版画家)
(2)舞踏
日程:12月25日(水曜)14:00〜1時間程度
出演:吉本大輔(舞踏 天空揺籃)、高橋理通子、石川慶
(3)担当学芸員によるギャラリー・トーク
日程:1月11日、2月1日(土曜)14:00〜30分程度