奇跡のクラーク・コレクション ― ルノワールとフランス絵画の傑作
〒100-0005
東京都千代田区丸の内2-6-2
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三菱一号館美術館(東京・丸の内)
〒100-0005
東京都千代田区丸の内2-6-2
会期 2013年2月9日(土)〜2013年5月26日(日)
開館時間 木・金・土 10:00〜20:00
火・水・日・祝 10:00〜18:00
*入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜(祝日の場合は18:00まで開館、翌火曜休館。但し5月20日(月)は開館)
主催 三菱一号館美術館、読売新聞社、クラーク美術館
クラーク美術館(米国マサチューセッツ州ウィリアムズタウン)は、ルネサンス時代から19世紀末までの欧米の傑作を幅広く擁する美術館です。
そのコレクションは、最も有名なフランス絵画をはじめ、彫刻、絵画、素描、写真、さらには銀器や磁器を含む装飾美術まで多岐にわたります。
ニューヨーク・ボストンから車で約3時間。広大な森の中にあるこの美術館のコレクションについて、これまで日本ではほとんど知られていませんでした。2010年、同館の増改築工事に伴い、世界的にもとりわけ質の高い印象派を中心とした絵画の世界巡回展が初めて開催され、2013年2月、ついに日本に上陸します。ルノワール22点を筆頭に、コロー、ミレー、マネ、ピサロ、モネ・・・。まるで宝石箱のような、これまで目にしたことのない奇跡のフランス絵画73点が一堂に。
三菱一号館美術館で「人生を、美しく生きる幸せ。」に出会える幸運にどうぞご期待ください。
クラーク美術館(Sterling and Francine Clark Art Institute、通称The Clark)は、1955年に開館した米国マサチューセッツ州ウィリアムズタウン所在の美術館です。
ピエロ・デッラ・フランチェスカなど、イタリア・ルネサンスのオールドマスターの作品から、近代に至るまでのヨーロッパ絵画、また陶器や銀器などの工芸といった、時代と地域を越えた幅広い作品を所蔵しています。
こうした所蔵品の中でも、30点以上に及ぶオーギュスト・ルノワールによる油彩画は、世界中の印象派愛好家が一度は見たいと憧れる大変貴重なコレクションです。 また、ルノワールのほか、カミーユ・ピサロ、アルフレッド・シスレー、クロード・モネなどの印象派絵画の数々も驚くべき質の高さを誇ります。
しかし、開館以来このクラーク・コレクションがまとまった形で館を離れ、国外で展示されたことはありませんでした。ところが、2010年より、建築家・安藤忠雄の指揮のもと、施設の増改築工事が行われており、これに伴い2011年にコレクションの世界巡回展開催が決定。極めて幸運なことに極東・日本にも初めて上陸することになりました。
クラーク・コレクションは、ロバート・スターリング・クラークと、パリのコメディ・フランセーズの女優であった妻フランシーヌが欧米で収集したコレクションです。
スターリングの祖父エドワード・クラークはニューヨーク在住の法律家でした。
彼は発明家であり起業家でもあったアイザック・メリット・シンガーと共同で、ミシン製造会社I. M. シンガーミシン(I. M. Singer & Co.)を設立します。画期的なミシンは絶大な人気を誇り、事業は順調に拡大。
遺された莫大な遺産は、4人の孫、スターリング・クラークと彼の兄弟とが相続しました。
スターリングは、イェール大学で工学修士を取得。その後、米国陸軍将校として中国とフィリピンに赴任。1910年、フランスのパリに渡り、まもなく舞台女優だったフランシーヌ・クラリーと恋に落ちます。幼少の頃から質の高い伝統的な絵画に囲まれて生活をしていたスターリングは、翌年の1911年より、16区に構えたアパルトマンを飾るため、自身でも絵画の収集を開始しました。
彼は収集当初、ルネサンス期のイタリア絵画や17世紀のオランダ絵画など、比較的古い時代の作品を集めていましたが、やがて印象派を中心とした近代絵画に注目するようになります。スターリングは、自身の目だけでなく、パリの文化の中心にいたフランシーヌの優れた審美眼を信頼していたため、二人は足繁く画廊に通うこととなり、共同で作品を選定・購入しました。二人は、第一次世界大戦終戦直後の1919年に結婚。クラーク夫婦のコレクションは1945年の第二次世界大戦終戦頃には500点以上に拡大していました。
クラーク夫妻は、コレクションを始めた当初より、アメリカの美術館へ作品を寄付することや、クラーク家ゆかりのニューヨーク市に私設美術館を建設して作品を展示することなど、コレクションの将来像をさまざまに考えていました。
熟考の結果、彼らはスターリングの故郷・ニューヨークではなく、自然の美しいマサチューセッツ州ウィリアムズタウンの広大な土地を購入。そこを作品を展示する美術館だけではなく、総合的な視覚芸術研究所とするべく、準備を開始します。
そしてクラーク夫婦の美術館が、1955年開館します。
同美術館に近接する日本から乗り入れのある国際空港はニューヨークとボストンにありますが、ウィリアムズタウンまでさらに車で3時間がかかるため、クラーク・コレクションが海外、とりわけ日本の美術愛好家の眼に触れることは極めて少なかったのです。
美術館の増改築終了後は、日本からはるか遠くのウィリアムズタウンに戻り再びやってくるかは分からない驚異のコレクション。
本展は、その貴重なコレクションを日本に居ながらにして愉しむことのできる、まさに奇跡の展覧会なのです。