エル・グレコ展
没後400年を迎えるスペイン絵画の巨匠、エル・グレコの大回顧展を開催します。
エル・グレコ(本名ドメニコス・テオトコプーロス、1541〜1614年)は、16〜17世紀のスペイン美術黄金時代に活躍し、ベラスケス、ゴヤとともにスペイン三大画家の一人に数えられます。ギリシャのクレタ島に生まれ、ヴェネツィア、ローマでの修行時代を経て、スペイン・トレドにたどりつき、揺らめく炎のように引き伸ばされた人物像が印象的な宗教画や独自の肖像画で、当時の宗教関係者や知識人から圧倒的な支持を得ました。
本展は4章からなっています。第1章「肖像画家エル・グレコ」では、エル・グレコの肖像画とそれに密接に関連する作品群を紹介します。第2章「クレタからイタリア、そしてスペインへ」では、画家の遍歴と画業の変遷を検証します。第3章「トレドでの宗教画:説話と祈り」では、エル・グレコの全制作の中でも最も大きな割合を占める祈念画の作例を紹介します。そして第4章「近代芸術家エル・グレコの祭壇画:画家、建築家として」では、数々の聖堂の祭壇画として制作された作品群を見ていきます。
本展にはプラド美術館、ボストン美術館など、世界中の名だたる美術館やトレドの教会群から油彩50点以上が集結します。高さ3メートルを超える祭壇画の最高傑作の一つ《無原罪のお宿り》も初来日し、まさに「奇跡の集結」といえる国内史上最大のエル・グレコ展となります。ぜひご鑑賞ください。
後援:外務省、スペイン大使館
協賛:損保ジャパン、大日本印刷、きんでん、竹中工務店
協力:スペイン政府観光局、エールフランス航空、全日本空輸、ダイキン工業現代美術振興財団
国立国際美術館 2012.10.16〜12.24 大阪・国立国際美術館
2013年1月19日〜4月7日 上野・東京都美術館
http://www.el-greco.jp/
http://www.asahi.com/event/el-greco/
《悔悛するマグダラのマリア》 1576年頃
ブダペスト国立西洋美術館
©Museum of Fine Arts, Budapest,5640
《修道士オルテンシオ・フェリス・パラビシーノの肖像》
1611年、ボストン美術館
Photograph©2012 Museum of Fine Arts, Boston.
《受胎告知》 1576年頃 ティッセン=ボルネミッサ美術館、マドリード
©Museo Thyssen-Bornemisza,Madrid
《無原罪のお宿り》 1607-1613年
サン・ニコラス教区聖堂(サンタ・クルス美術館寄託)トレド、スペイン
©Parroquia de San Nicolás de Bari. Toledo. Spain.