ラフォーレミュージアム原宿

artscene2011-05-15

　家族も友人もなく、天涯孤独に生きたヘンリー・ダーガー。彼はその侘しい実生活を棄てて自身が夢想した物語『非現実の王国で』の中で生き、そこで起こった出来事を、生涯を賭して記録した。

　ダーガーにとって『非現実の王国で』を綴り描くことは、人に見せるためでも余暇の楽しみでもなく生きることそのものであった。この特異な創作は下宿先の大家夫妻によって偶然に発見されてから彼の死後、人々の目に触れることになる。不可思議な世界観と強烈な表現欲求は観る者を圧倒し、魅了してやまない。

　人物像は謎に包まれたまま。彼は一体何者で、何を考えていたのか、何を愛し、求めていたのか、心穏やかに最期を迎えることができたのかなど、多くの謎が残されている。

　本展は、最新の研究成果のもと、ヘンリー・ダーガーの実人生と『非現実の王国で』を解き明かすことを試みる企画展。

　ダーガーの幼少期について　[Early Days]

　ダーガーが興味を抱いていた事物を紹介　[Archeology of Henry Darger's Room]

　『非現実の王国で』の挿画64点（この内、21点が本邦初公開）を展示　[Welcome to the Realms of the Unreal]

　自叙伝と本邦初公開となる遺品6点を紹介　[History of My Life]

　
　様々な分野の著名人から寄せられたコメントを通じてダーガー像に迫る　[Hommage]

　5部構成。彼が人生の後半40年を暮した部屋から見つかった遺品や書き物を手がかりに、ヘンリー・ダーガーの虚実に迫る。

主催：ラフォーレ原宿、読売新聞社
後援：アメリカ大使館
企画制作：ラップネット
企画協力：小出由紀子

期間 2011年4月23日(土)〜2011年5月15日(日)
時間 11:00〜20:00

入場料一般 800円　学生 600円
※小学生以下およびラフォーレカード会員は無料

交通
地下鉄　千代田線・副都心線「明治神宮前駅」　5番出口より歩1分
JR山手線「原宿駅」表参道口より歩5分

出品作品：

サリー・フィルダー、デイジー、へティ、ヴァイオレット、アンジェリニア・アーロンバーグ、ジョイス、ジェニー、アンジェリン、キャサリン、マージョリー・マスターズ　Collection of Kiyoko Lerner ©Kiyoko Lerner,2011

マルコチノの第二戦、グランデリニアンが仕掛けた破壊的爆発からも逃走。 Collection of Kiyoko Lerner ©Kiyoko Lerner,2011

グロリニアのアーロンバーグ・ランにて。ヴィヴィアン・ガールズはグランデリニアンの砲撃を受ける。神に感謝するがよい。破裂弾の大爆発には距離があった。 Collection of Kiyoko Lerner ©Kiyoko Lerner,2011

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