ナチスによる略奪絵画を所有
コーネリウス・グルリット 死去
第二次世界大戦前からナチス・ドイツによって略奪された絵画を大量に保有していたコーネリウス・グルリットが死去した。2012年に脱税事件に関連したことで自宅の捜索を受けて、その結果として自宅マンションから大量の絵画が発見されていた。
ピカソなど1330億円の価値があるものを含み、ドイツ南部・ミュンヘンにある氏の自宅からは、主にナチスがユダヤ人から略奪した大量の絵画が収蔵されている。パブロ・ピカソやアンリ・マティス、ピエール=オーギュスト・ルノワールなど著名な画家が含まれており、1406点の作品の価値は約10億ユーロ(1330億円)相当にもなる。
これらは、氏の父親であり、著名な画商であったヒルデブラント・グルリットが1930〜40年代に入手したものと見られ、ヒルデブラントは主に「退廃芸術」のアート・ディーラーとして知られている。宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルスなどナチス高官とも親交が深かった。
コーネリウスは、これらの絵画の一部を売却することで収入を得ていたが、彼の遺言に従ってこれらの絵画はスイスかオーストリアの美術館に寄贈ということになっていたが、ベルン(Bern)の美術館に全てが寄贈される予定。真実の所有者がわかる芸術は本人や遺族に返還されたものもある。今後、大きな問題と責任を引き受けてベルンの美術館が美術品の鑑定、修復、真性の所有者との折衝などにあたる。

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