Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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野口哲哉展―野口哲哉の武者分類図鑑

artscene2014-01-27



野口哲哉展


1980年生まれの野口哲哉は、樹脂やプラスチックなど、現代的な素材を駆使して古びた姿の鎧武者を造形し、それらの織りなす嘘とも現実ともつかない魅力的な世界観を構築する美術家です。


南蛮渡来のシャネルのマークを家紋とした甲冑を身にまとった紗錬家しゃねるけの武者像「シャネル侍着甲座像」がある一方で、兜に付いたプロペラ型の立物で空中を浮遊する武者の絵画作品「ホバリングマン 浮遊図」は当時あたかもそんな武者がいたかのように、巧妙に古びた画面を演出しています。野口の作品世界の大半は、侍をモチーフにしながらも、実際には存在しない、彼曰く“でっちあげ”の世界なのですが、サムライ、甲冑への知識に裏付けられた空想世界は実に豊かで、史実とのはざまを行き来するユニークで独創的なものとなっています。加えて、甲冑の表現の正確さや、サムライたちの立ち振る舞いは、格好良さの中にも常に滑稽さや哀しさが漂っており、その姿は日々の暮らしを送る私たち現代人とどこか通じるものがあります。


作家はまだ30代半ばで活動期間は短いとはいえ、コレクターは国内外に及び、展覧会出品作、個展での評価も高く、今まさに注目される作家の一人です。


一貫して鎧武者をモチーフに制作する野口の新作を含めた全作品約90点を中心に、彼の発想の原点となった古今の美術作品や写真、グラフィックデザインなどを併せて展示し、野口の武者世界を紹介する、初の個展となります。


Talking Head 部分2010年

Um samurai vient 2012年


開催案内

【会期】2014年2月16日(日曜 Sun)から4月6日(日曜 Sun)


【休館日】月曜日 Close on Monday

【開館時間】10:00−18:00 入館は午後5時半まで


【観覧料】

 一般 500円
 高大生および65歳から74歳 300円
 中学生以下および75歳以上 無料


【主催】練馬区立美術館/朝日新聞社

シャネル侍着甲座像 2009年

CHANEL SAMURAI
Copyright Tetsuya Noguchi/Collection:CHANEL K.K.



ゲスト×アーティストトーク(事前申込不要)


野口哲哉と3人のゲストによる対談
【1】2月21日(金曜)午後4時から<ゲスト>山田五郎氏(評論家)
【2】3月8日(土曜)午後3時から<ゲスト>山下裕二氏(明治学院大学教授)
【3】3月22日(土曜)午後3時から<ゲスト>諏訪敦氏(画家)
【場所】美術館展示室

アーティストトーク参加には、野口哲哉展覧会チケット(当日券のみ可)が必要です。


記念コンサート(事前申込不要)
【日時】3月16日(日曜)午後3時から4時
【場所】美術館ロビー
【演奏】前田善彦(チェロ)、塚田誠(ピアノ)



銀河万丈氏(声優)による読み語り(要事前申込)


貫井図書館共同主催
【読み語り題目】菊地寛「形」ほか
【日時】3月1日(土曜)午後3時から4時半
【場所】美術館視聴覚室
【対象】中学生以上
【定員】70名
【申込締切】2月14日(金曜)必着・抽選


記念講演会(要事前申込)
「合戦場での目立ち方―甲冑と旗と陣羽織について」
【講師】藤本正行國學院大學兼任講師)
【日時】2月22日(土曜)午後3時から
【会場】美術館視聴覚室
【対象】中学生以上
【定員】70名
【申込締切】2月7日(金曜)必着・抽選


読み語り・講演会申込方法
(1)イベント名(2)住所(3)氏名(ふりがな)(4)年齢(5)電話番号を記入のうえ、往復ハガキまたはEメール(museum@city.nerima.tokyo.jp)にて練馬区立美術館へ。1通のハガキ・メールで2名までご応募頂けます。連名で記入してください。複数のイベントに申込の際は、1つのイベントにつき1通のハガキ・メールを出してください。まとめてのご応募はできません。Eメールの場合、タイトルに申込希望のイベント名を記載すること(例:「3月1日読み語り申込」「2月22日講演会申込」)。抽選結果は当選・落選にかかわらず通知いたします。

ポジティブ・コンタクト 2011年

小兵図 2008年



野口哲哉略歴

1980年 香川県高松市生まれ
1999年 広島市立大学芸術学部油絵科入学
2000年 この頃から油彩画制作と並行して樹脂粘土を使用した立体作品の制作を開始
2005年 広島市立大学大学院修了
2008年 アートフェア東京2008出品(ギャラリー玉英ブース)
    「NETWORK JAPAN PROJECT」INTERALIA、韓国・ソウル
    個展「野口哲哉展〜武士道とは夢見ることと見つけたり」TCAF2008/ギャラリー玉英ブース
2009年 「医学と芸術:生命(いのち)と愛の未来を探る」森美術館、六本木(11月28日〜翌2月28日)
2010年 「BASARA」展 スパイラルガーデン、青山
     「甲冑の昔と今」ギャラリー真玄堂
2011年  芝浦工業大学メインビジュアル担当
    「ポジティブ・コンタクト 野口哲哉展」松坂屋名古屋店(7月20日〜26日)