Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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木島櫻谷 −京都日本画の俊英   画三昧に生くる

artscene2013-11-21


木島櫻谷「寒月」



2014年1月11日(Sat 土) − 2月16日(Sun 日)

〔休館日〕月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)  Close on Monday



京都三条室町に生まれ、円山四条派の流れをくむ今尾景年のもとでいち早く才能を開花させた櫻谷は、明治後半から大正には人物画や花鳥画文展の花形として活躍、続く帝展では審査員を務めるなど多忙の日々を送ったが、50歳頃からは次第に画壇と距離をとり、郊外の自邸での書物に囲まれた文雅生活のなか、瀟洒な南画風の境地に。


徹底した写生、卓越した筆技、呉服の町育ちのデザイン感覚、そして生涯保ち続けた文人の精神。そこに醸し出される清潔で華奢な情趣は、京都文化の上澄み。本展は各時期の代表作を中心に、公益財団法人櫻谷文庫の未公開資料もあわせ、櫻谷の多彩な画業を振り返る。



木島櫻谷「寒月」については、夏目漱石が酷評したことで知られる。

屏風に月と竹と夫から狐だか何だか動物が一匹いる。
其月は寒いでしょうと云っている。
竹は夜でしょうと云っている。
所が動物はいえ昼間ですと答えている。
兎に角屏風にするよりも写真屋の背景にした方が適当な絵である。 (夏目漱石


 漱石としては西洋絵画の写実的な表現を日本画に持ち込んだことが好きになれなかったようだが、しかし、「寒月」は文展で評価され二等賞に。この時代の10年前に洋行から帰った竹内栖鳳が西洋画の技法を取り入れた作品を発表して注目を集めていたため、日本画を取り巻く潮流が変化した中に木島櫻谷もいたことになる。漱石は竹内を模倣して追随したように見えた木島を処世的に感じて酷評したのかもしれないが、実際の絵は優れた構図、表現力、色彩がある。漱石も内心、それを本能的には感じていながら、英国帰りの傷心もあって西洋画的な手法に反発し酷評したのかもしれない。



木島櫻谷

京都三条室町 生まれ。
円山四条派の流れを汲む今尾景年に学ぶ。得意は動物画。円山四条派の伝統画題である孔雀、猪や鹿、狐、獅子も多く描いた。



http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/img/next_exhibition.pdf


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休館日
月曜日
開館時間
午前10時〜午後4時30分(入館は午後4時まで)


入館料
一般 520円
高・大学生 310円
中学生以下 無料

駐車場
専用駐車場はございません