Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

セカイがハンテンし、テイク

artscene2013-07-08


川崎市市民ミュージアム
〒211-0052

神奈川県川崎市中原区等々力1-2
TEL 044-754-4500


http://www.kawasaki-museum.jp


21世紀に入り、コンピューターとインターネットが全世界に普及する中で、まったく新しい世界観が現れてきています。新しいテクノロジーやメディアが私たちの生活に及ぼす影響は日に日に勢いを増しており、私たちはもう、以前のように、新しいメディアを使う/使わないといった単純な話ではすまされない、複雑で、未曾有のコミュニケーション状況のただ中に生きています。それはつまり、メディアを媒介に社会と向かい合う私たち自身にも、以前とは違った世界の捉え方、見方がインストールされているということではないでしょうか。テクノロジー&アート、メディア&アートを標榜し、1988年に開館した川崎市市民ミュージアムは、今年開館25周年を迎えます。この展覧会では、メディアと芸術の関係に注目してきた当館ならではの視点で、現代のコミュニケーションツールやメディアが変えた私たちの生活観、芸術観、そして他人との距離、世界との距離感を、国内外の若手作家8組とともに考え、捉えていきます。
今回の展覧会タイトルは、詩人・水無田気流氏による詩「電球体」(『音速平和』思潮社、2005年)から引用したものです。
●出品作家
《RUNawayHOME》 パフォーマンス/インスタレーション 2011年
《RUNawayHOME》 2011年 (参考作品)
aricoco         

1973年生まれ。活動拠点であるニューヨークで、「逃げる」をテーマにさまざまなオブジェクトを発表し、パフォーマンスを行ってきた作家です。社会の中での柔軟な関係性のありようを提示するaricocoは、本展で一般参加者とともにコクーンを作り、それらを連結させて大きな避難場所を出現させます。

《ワークショップ"5分でつくる機械レシピ"》 2013年
安西剛                

1987年生まれ。身近な素材で制作した機械との対話を巡って、異彩を放つインスタレーション作品を発表しています。今回は、公募で選出されたスタジオ・プログラムの作家として90日間ミュージアムに滞在し、市民とワークショップを行いながら、不思議な機械と人の関わりを通して新たな物語を紡ぎ出す作品を制作します。
《Rotation Rotation》 映像インスタレーション 2010年
《Rotation Rotation》 2010年 (参考作品)
北上伸江

1985年生まれ。実写映像を水彩などでひとコマずつ描き起こして作る北上のアニメーションは、日常の風景を驚くほど新鮮なイメージに変えてしまいます。本展で発表するのはホームビデオを題材にした新作で、古い映像の中の記憶を斬新なアニメーションとして蘇らせる、映像インスタレーション作品です。
《Brick(Wall)》 インスタレーション/写真 2005年
豆本の山》2013年 (写真は作品の一部)
高田安規子・政子           

1978年生まれ。小さなトランプに刺繍をほどこして魔法のじゅうたんに変身させたり、角砂糖で椅子を作ったり――高田安規子・政子は、スケールに着目した作品を制作しています。今回は小さなツリーハウスや、手のひらに乗るような本を作って、人間を中心にした世界の捉え方を見直し、私たちの心を異次元へと導きます。
冨永昌敬・土田環

冨永昌敬1975年生まれ。土田環1976年生まれ。『パビリオン山椒魚』などの代表作がある若手映画監督と映画研究者のユニットで、現代美術に初挑戦します。本展では「20世紀の事故」(仮題)と題し、何かが意図されずに伝わってしまう状況を、3つのスクリーンから成る映像インスタレーションで表現します。
《グッバイバイセクル》 パフォーマンス/インスタレーション 2011年
《誰かのドライブインシアター2013》2013年
中村土光               

1986年生まれ。パフォーマンスや映像作品で、誰か、または何かに対する、人々の想いを伝えようとします。その時、誰か、または何かが、誰であるか、何であるかは示されず、「想い」だけが見る者の心に強く印象付けられます。今回はタクシードライバーへのインタビューを編集した新作を発表します。
《風をつかむ》 ワークショップ/インスタレーション 2009年
藤村豪・内野清香           

1980年生まれ。誰かの夢の話を別の誰かに伝えるなどのワークショップを通して、伝える内容が不明確であること、内容が不明確であっても、人々が一定の理解に達することを表現する作品(行為)を発表しているアーティストユニットです。今回は川崎市の小学生約7万人を巻き込んだ、大規模な手紙のプロジェクトを実施します。
《わからないことを抱える(たくさんの手紙と猫について)》2013年
《Nova》 映像インスタレーション 2012年
《Nova》 2012年 (参考作品)
ラファエル・ローゼンダール      

1980年生まれ。インターネットを拠点に、ウェブサイトをドメイン名も含め作品として発表している作家です。今回は、インタラクティブな映像インスタレーションで、ネット空間の壮大なキャパシティを表現すると同時に、インターネットそのものが喚起する現代の創造性を私たちに提示します。