Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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「芸術療法」の絵画展  7月11日まで 渋谷ヒカリエ

f18decdd.jpg 精神疾患のの患者の治療に絵の制作などを取り入れる「芸術療法」は、日本でも広まりつつある。

 
 患者の絵画作品30点余りを紹介する展示会が、8日から東京・渋谷ヒカリエで開かれている。この展示会は、うつ病統合失調症の患者の治療に、「芸術療法」をもっと活用してほしいということで、国立精神・神経医療研究センターなどの医師のグループ(国立精神・神経医療研究センター 竹島正部長)が開催した。


 この「芸術療法」を世界で初めて導入したオーストラリアの精神医学の研究所はダックス・センター。1950年代に初めて「芸術療法」を導入、世界から視察や見学などが多いオーストラリアを代表する精神医学の研究所である。オーストラリアは、歴史的に入植してきた英国人に搾取、弾圧、抑圧を受けてきた先住民族アボリジニーの自殺や精神疾患が多いことで知られる。「ダックス・センター」が収蔵する患者の絵画作品31点が展示されているが、鬱病統合失調症などその疾患は多様である。



 赤ちゃんが手のひらで静かに眠る様子を描いた作品は、30代で赤ちゃんの死産をきっかけにうつ病を発症した女性が描いたもの。女性は、絵の制作を通じて自らの喪失感を表現したことで、その後、うつ病から回復することができた。


 芸術療法は、周囲の人が患者を理解する方法としても役立っておりその理解が患者を治療するうえで大きな力になる。

 
 渋谷の「渋谷ヒカリエ」で今月11日まで。

芸術療法入門 (文庫クセジュ)

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芸術療法 (こころの科学セレクション )

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新しい芸術療法の流れ クリエイティブ・アーツセラピー

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芸術療法ハンドブック

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