Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

あわび蛍−三陸絆

artscene2013-05-03

宮古で「アワビの貝ランプ」発売−復興願う「ホタルのような優しい光」


5月19日から5月21日まで銀座で展示予定。


アワビの貝を使用したランプ「あわび蛍」は、網代模様と砂浜模様の2デザイン

 宮古市の復興支援プロジェクト「かけあしの会」(菅原則夫代表)は4月2日、アワビの貝を利用したルームランプ「あわび蛍−三陸絆−」を発売した。


 薄く磨いたアワビの貝を通して、ホタルのような優しい光がともる。台座はガラス製で、アワビの貝とLEDライトを接着した。約10センチ×14センチの台座は2つのデザインがあり、縦型の「網代(あみしろ)模様」は、人と人とのつながりと漁場の復興を願うシックな網模様。横型の「砂浜模様」は、子どもたちの笑顔あふれる海を願い、同市の浄土ヶ浜をイメージした。発売から5日間で、主にプレゼント用に約20個を販売したという。


 アワビの貝のほとんどは、同市の田老漁協から提供される。貝磨きや台座への接着作業は、市内の仮設住宅住民10人が担当。汚れを取り、穴が空かないように薄く磨き上げる行程は、全て手作業で行われる。


 これまで同会は、被災した地元企業と住民に仕事や社会参加の場を与えるため、約30種類の商品を開発してきた。宮古の塩を使った「塩サイダー」や「宮古の塩ストラップ」などのヒット商品に加え、若鶏のジャーキー「むねキュン」や、授産施設との共同開発「希望の天使」スイーツなどには固定ファンが多く、いずれも順調に売れている。


 これらの食品類とは異なり「あわび蛍」は、手間も材料費もかかるため、企画から商品化するまで、1年3カ月を要した。「復興に向け、命を守る生きがいづくりを目指して活動しているが、この商品はその取り組みが具現化した商品」と菅原さん。「作業している高齢者の中には、心地良い疲労で食事もおいしく食べられ、よく眠れるようになったと話す人もいる」と話している。


 「あわび蛍」は1個5,000円。いわて生協主要店で販売するほか、電話での注文も受け付ける。問い合わせはマリンコープDORA(TEL 0193-63-3131)まで。