Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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坂 茂 建築の考え方と作り方

artscene2013-03-09



 非常に実践的かつ独創性のある建築で活躍している坂茂。近未来的でかつプラグマティックなアイデアを盛り込んだ提案、実践も多い。吉祥寺北町にある成蹊大・図書館も坂の手がけたものである。

 

2013年3月2日[土]〜 2013年5月12日[日]


建築家・坂茂の創作と活動を包括的に紹介する日本で初めての大規模個展


http://arttowermito.or.jp/gallery/gallery02.html?id=342


紙管をはじめとする様々な材料や構法を用いることで、住宅から公共施設、そして災害支援に至るまで、多くのプロジェクトを世界各地で進行させる建築家、坂 茂(ばん・しげる)の活動の全貌を紹介します。坂の作品の特徴は、我々が普段、気にもかけずに見過ごしがちなものの中に建築の材料として特性を見出し、それを建築作品として実用化するところにあります。坂はそのキャリアの早い段階から、これらの材料を用いつつ優れたデザインで解決する建築家として、独自の建築手法を展開してきました。例えば、80年代に再生紙でできた「紙管」に着目した坂は、多くの研究と開発を経て「紙の家」や「ハノーバー国際博覧会日本館」を実現させた一方、安価でどこでも入手できるという利点を活かして、「紙のログハウス」「避難所用簡易間仕切り(Paper Partition System)」といった災害支援へと発展させました。また、海上輸送コンテナを利用した「ノマディック・ミュージアム」や、それを多層化させて実現した「コンテナ多層仮設住宅宮城県女川町)」、街角で見かけた中国製の帽子にヒントを得た「ポンピドゥーセンター・メス」など、その活動は幅広く、国際的に高い評価を受けています。


 本展では、坂の初期作品から代表作「ポンピドゥーセンター・メス」、および進行中のプロジェクトに至るまで、坂茂の仕事を写真、映像、模型、立体展示で辿ります。日本初の試みとなった3階建てのコンテナ仮設住宅の実物大モックアップ(一世帯)を屋外に展示し、坂茂の活動の全貌を俯瞰できる構成を予定しています。


一部4月中旬以降から展示の作品があります
展示中のガラスシャッターの開閉時間は次の通りです:11:00~/13:00~/15:00~/17:00~



坂 茂 プロフィール
1957年東京生まれ。クーパー・ユニオン建築学部を卒業。82年、磯崎新アトリエに勤務。85年、坂茂建築設計を設立。95年から2000年まで国連難民高等弁務官事務所UNHCRコンサルタント、同年にNGO VAN設立。現在、京都造形芸術大学芸術学部環境デザイン学科教授。


http://www.shigerubanarchitects.com/



<主な作品>「カーテンウォールの家」、「ハノーバー国際博覧会日本館」、「ニコラス・G・ハイエック・センター」、「ポンピドゥーセンター・メス」他多数


<主な受賞>フランス建築アカデミー ゴールドメダル(2004)、アーノルド・W・ブルーナー記念賞建築部門世界建築賞(2005)、日本建築学会賞作品部門(2009)、フランス芸術文化勲章(2010)、オーギュスト・ペレ賞(2011)、芸術選奨文化部科学大臣賞(2012)他多数




作品図版

コンテナ多層仮設住宅 - 宮城県女川町
© Voluntary Architects’ Network + Shigeru Ban Architects



間仕切り設置完了風景(大槌高校大体育館)
© Voluntary Architects’ Network




ノマディック美術館 New York
Photo by Michael Moran



カーテンウォールの家
Photo by Hiroyuki Hirai



坂 茂 建築の考え方と作り方


会場

水戸芸術館 現代美術ギャラリー


開催日

2013年3月2日[土]〜 2013年5月12日[日]


開館時間

9時30分〜18時(入場時間は17時30分まで)



休館日

月曜日
ただし2013年4月29日、5月6日(月・祝)は開館、翌4月30日、5月7日(火)は休館



入場料

一般800円、前売り・団体(20名以上)600円
中学生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
一年間有効フリーパス
・「ハイティーンパス」(15歳以上20歳未満 ):1,000円
・「おとなのパス」(20歳以上):2,500円



主催

公益財団法人水戸市芸術振興財団



助成

公益信託タカシマヤ文化基金、公益財団法人アサヒグループ芸術文化財


協賛

鹿島建設株式会社


協力

坂茂建築設計、アサヒビール株式会社、日本化工機材株式会社、株式会社イトーキ、株式会社加瀬倉庫、TSP太陽株式会社、株式会社良品計画エルメスジャポン株式会社、Holzbau Amann GmbH、BLUMER-LEHMANN AG


企画

門脇さや子(水戸芸術館現代美術センター学芸員