Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

日本の漆─南部・秀衡・浄法寺を中心に

artscene2013-02-27



2013年1月10日(木)−3月24日(日)


漆がもたらす艶やかな美しさは、古来より人々に愛されてきました。なかでも柳宗悦は、無名の工人が吉祥文や草花文等を活々と描いた「漆絵」を高く評価し、椀や盆、箱類を多く蒐集しています。本展では、優品が揃う南部、秀衡、浄法寺の椀類を中心に、根来、螺鈿、卵殻貼、漆皮など多様な技法で彩られた館蔵の漆工芸、約100点を展示します。


月曜(祝日の場合は開館し、翌日休館)

一般 1,000円 大高生 500円 中小生 200円



10:00-17:00(入館は16:30まで)

本館大展示室 他



公益財団法人 日本民芸館  

〒153-0041 
東京都目黒区駒場4丁目3番33号
電話 03-3467-4527  
FAX 03-3467-4537

 
◦電車をご利用の場合
京王井の頭線駒場東大前駅」西口から徒歩7分
小田急線「東北沢駅」南口から徒歩15分
 
◦バスをご利用の場合
※バスは本数が少ないためご利用の際はご注意ください。

・渋谷駅西口バス乗り場より

東急バス
 渋55系統 代々木上原・東北沢経由幡ヶ谷折返所行き 「代々木上原」下車徒歩8分



公益財団法人 日本民芸館  
〒153-0041 東京都目黒区駒場4-3-33   
Tel. 03-3467-4527 
Fax. 03-3467-4537


日本民藝館本館のうち1936年に竣工した建物部分を旧館と呼ぶ。旧館は柳宗悦が中心となり設計されたもので、外観・各展示室ともに和風意匠を基調としながらも随所に洋風を取入れた施設となっている。旧館および道路に面した石塀は、1999年に国の有形文化財に登録された。なお新館は旧大広間のあった位置に1982年に建て替えられたものである。



所蔵品のほとんどは、柳宗悦の審美眼を通して蒐められたもので、日本および諸外国の新古諸工芸品約17,000点を数える。中でも、朝鮮時代の陶磁器・木工・絵画、丹波唐津伊万里・瀬戸の日本古陶磁、東北地方の被衣(かつぎ)や刺子衣裳、アイヌ衣裳やアイヌ玉、大津絵、木喰仏、沖縄の陶器や染織品、英国の古陶スリップウェアなどは、質量ともに国の内外で高い評価を受けている。また、民藝運動に参加したバーナード・リーチ濱田庄司河井寛次郎、芹沢硑介、棟方志功ら工芸作家の作品も収蔵している。




日本民藝館は、「民藝」という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を目指す民藝運動の本拠として、1926年に思想家の柳宗悦(1889〜1961)らにより企画され、実業家で社会事業家の大原孫三郎をはじめとする多くの賛同者の援助を得て、1936年に開設された。現在の経営母体は公益財団法人で、登録博物館として運営。「民藝品の蒐集や保管」「民藝に関する調査研究」「民藝思想の普及」「展覧会」を主たる仕事として活動している。初代館長には柳宗悦が就任し、二代目は陶芸家の濱田庄司(1894−1978)、三代目は宗悦の長男でプロダクトデザイナー柳宗理(1915-2011)、四代目は実業家の小林陽太郎、そして現在はプロダクトデザイナー深澤直人が館長職を継いでいる。当館には柳の審美眼により集められた、陶磁器・染織品・木漆工品・絵画・金工品・石工品・編組品など、日本をはじめ諸外国の新古工芸品約17000点が収蔵されており、その特色ある蒐集品は国の内外で高い評価を受けている。



 1925年、民衆の用いる日常品の美に着目した柳宗悦は、濱田庄司河井寛次郎らとともに無名の職人達が作った民衆的工芸品を「民藝」と名付けた。そして、1926年には陶芸家の富本憲吉の賛同を得て、四人の連名で「日本民藝美術館設立趣意書」を発表。民藝品の公開・展示のみならず、調査・蒐集や保存・管理するための美術館施設の設立計画を始動させていった。もっとも、柳の美術館設立の夢はそれ以前からすでに育まれていた。早くは1917年に発表された白樺美術館建設計画であり、柳は『白樺』同人としてこの活動の中心メンバーとなり活動。施設の完成までには及ばなかったが、私設美術館の先駆けとなった。1924年には「朝鮮民族美術館」(現ソウル)を朝鮮王朝の王宮であった景福宮内に開設している。これは主として朝鮮時代に作られた無名の職人の手になる民衆の日常品の美を紹介するための小規模な美術館で、日本民藝館の原点ともいえる存在である。



 朝鮮民族美術館の実現を契機として、民藝館設立に向けての運動が本格化していった。まず、1928年に上野公園で開催された御大礼記念国産振興博覧会に、民藝運動の同人と諮(はか)り「民藝館」を出品した。これは都市に住む中産階級に新しいライフスタイルを提示するためのモデルルームで、その什器には同人作家の品や日本各地で作られた民藝品が選ばれた。博覧会終了後は、民藝運動の支援者であった実業家の山本為三郎がこの建物や什器を買い上げ、大阪・三国の山本邸内に移築して「三国荘」とした。また、この頃柳は再建中の東京帝室博物館に対して、蒐集した民藝品の寄贈と展示室の設置を申し入れている。しかし、この提案はあえなく断られて、これを機に、官に頼らない美術館設立の決心を固めることとなった。なお、1929年に訪れたスウェーデンの北方民族博物館やスカンセン(野外博物館)も、柳の美術館構想 に大きな影響を与えていった。


 1931年、浜松に日本民藝美術館を開設する。二年余りの活動であったが、民藝館設立のための大切な準備となった。民藝思想の普及や地方の手仕事の振興などに力を注いだ柳は、民藝運動の活動母体となる日本民藝協会を1934年に発足させる。そして、いよいよ機が熟し、1936年に「日本民藝館」が東京・駒場の地に開設されると、柳は初代館長に就任して、ここを活動の拠点として様々な展覧会や調査研究を展開していった。民藝館設立以後の柳の主な活動としては、日本各地への工芸調査や蒐集の旅、沖縄への工芸調査と言語政策(方言)をめぐる論争、アイヌや台湾先住民の工芸文化の紹介、茶道改革への提言などがあげられよう。また、民藝運動に参加したバーナード・リーチ濱田庄司河井寛次郎、芹沢硑介、棟方志功、黒田辰秋などの工芸作家は、実用を離れた当時の工芸の在り方に一石を投じるなど、日本の近代工芸界に大きな流れを作っていった。



本 館 10時〜17時(最終入館は16時30分まで)
毎週月曜日(但し祝日の場合は開館し翌日休館)
年末年始、陳列替え等に伴う臨時休館有り

大人1,000円(800円)、高大生500円(400円)、
小中生200円(150円)※( )は20名以上の団体
※団体見学をご希望の方は必ず事前にご予約ください。
※障害者とその介護者1名は割引料金500円にて入館できます。手帳をご提示ください。

西館(旧柳宗悦邸) 展覧会開催中の第2水曜、第2土曜、第3水曜、第3土曜に公開

10時〜16時30分(最終入館は16時まで)

日本民藝館本館と開館時間が異なりますのでご注意ください