Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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歌舞伎 -江戸の芝居小屋

artscene2013-02-05



江戸時代に花開き、現代まで息づく歌舞伎は、日本を代表する伝統芸能として、さまざまな変遷を経て発展してきました。その歌舞伎の大きな特徴の一つに、劇場内で行なわれる〈役者〉と〈観客〉の応酬があります。歌舞伎の歴史は、この〈役者〉と〈観客〉とを結ぶ〈劇場〉を中心に展開してきたともいえます。


2013年4月の第五期歌舞伎座新開場を記念し、近世における芝居小屋から、現在へとつながる歌舞伎の劇場空間が成立するまでの歴史を、絵画作品を中心に展観します。


役者のブロマイドであった役者絵や、役者の愛用品、歌舞伎役者の紋や舞台衣装から影響を受け江戸で流行したファッションなどにも焦点を当て、歌舞伎の発展を支えてきた〈役者〉と〈観客〉の姿を浮き彫りにしていきます。




歌舞伎座新開場記念展
歌舞伎 -江戸の芝居小屋-
会期:2月6日(水)〜3月31日(日)
※作品保護のため会期中、展示替をおこなう場合があります。
※各作品の展示期間については、美術館にお問い合わせください。




第一章 劇場空間の成立
歌舞伎の芝居小屋は、江戸時代の人々にとって、非日常的世界へと誘う夢の空間でした。本章では、歌舞伎芝居の祖とされる出雲阿国の舞台姿や、京の名所として芝居小屋を捉えた絵画をはじめ、幕府公認の芝居小屋・江戸三座の一つである中村座を描いた菱川派の肉筆画、西洋の遠近法を駆使して劇場内部を描写した浮絵などを通じて、当初は社寺の境内で行なわれていた歌舞伎が、仮設の舞台、そして、複雑な舞台装置を備えた常設の芝居小屋を獲得していくまでの流れを追います。


重要文化財 阿国歌舞伎図屏風 六曲一隻 桃山時代 17世紀 京都国立博物館

重要文化財 歌舞伎図巻 二巻のうち下巻(部分) 江戸時代 17世紀 徳川美術館

重要美術品 阿国歌舞伎草紙 一巻(部分) 桃山時代 17世紀初頭 大和文華館蔵

上野花見歌舞伎図屏風 伝菱川師宣画 六曲一双のうち左隻 江戸時代 元禄6年(1693)頃 サントリー美術館



第二章 歌舞伎の名優たち
歌舞伎役者たちは、江戸時代の人々にとって憧れのスターでした。新しい芝居が始まるたびに、役者の舞台姿を描いた浮世絵が多数制作され、人々は贔屓役者の役者絵をこぞって買い求めました。
本章では、役者のブロマイドであった役者絵や役者の愛用品を通して、名優たちの華々しい活躍の様子をご覧いただきます。


役者はんじ物 市川團十郎 歌川国貞画
大判錦絵 江戸時代 文化9年(1812) 千葉市美術館蔵 三代目尾上菊五郎舞台姿 三代歌川豊国画 一幅 江戸時代
天保15年(1844)頃 早稲田大学坪内博士記念演劇博物館蔵



第三章 芝居を支える人々
歌舞伎の舞台では、〈観客〉が大きな役割を果たしています。公演中の役者への掛け声はもちろんのこと、襲名の際のバックアップ、新しい衣装の手配、他の観客の動員など、特定の役者を組織的に後援する「贔屓(ひいき)連中(れんじゅう)」のシステムが、江戸時代にはすでに確立していました。また、役者たちは当時のファッションリーダーでもあり、その紋や舞台衣装から影響を受けた服装がしばしば流行しました。
本章では、歌舞伎役者たちを支えた「贔屓」の観客の様子、歌舞伎の舞台から影響を受けて江戸市井で流行したファッションなどを取り上げ、歌舞伎の発展を支えてきた〈観客〉の姿に迫ります。





http://www.suntory.co.jp/sma


サントリー美術館
東京ミッドタウン ガレリア3階

〒107-8643
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンサイド
TEL:03-3479-8600


会期 2月6日(水)〜3月31日(日)

※作品保護のため会期中、展示替をおこなう場合があります。
※各作品の展示期間については、美術館にお問い合わせください。


開館時間 10:00〜18:00 (金・土は10:00〜20:00)


※2月10日(日)は20時まで開館
※3月23日(土)は「六本木アートナイト2013」のため24時まで開館

※最終入館は閉館30分前まで


休館日 毎週火曜日

入館料 一般 当日 1,300円
大学・高校生 当日 1,000円


※中学生以下無料



割引 きもの割
きものでのご来館で100円割引



ATRo(あとろ)割
国立新美術館森美術館の企画展チケット提示で100円割引


団体
20名様以上で100円割引


六本木アートナイト2013割引
3月23日(土)はアートナイト割引で入館料500円(一般、大学生・高校生共通)

音声ガイド 500円 ※英語版もございます。



特別協力:松竹株式会社、株式会社歌舞伎座、松竹大谷図書館、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館