東北地方太平洋沖地震
被災文化財救援事業
南海トラフ巨大地震など将来の自然災害を想定し、文化庁は、被災地からの文化財救出の司令塔となる常設の組織を作る。東日本大震災の文化財レスキュー事業で得たノウハウを生かし、災害時に人材派遣や資材の供給をスムーズに行う体制を整える。
東日本大震災では、国指定・登録の文化財だけでも744件が被災。文化庁は被災後、レスキュー事業のため国立文化財機構と文化財・美術関係団体などで被災文化財等救援委員会を組織。津波にのまれた石巻文化センターなど90か所から古文書や資料を救出し、保全を図ってきた。
この事業は今年度末で終了する予定のため、新組織は、大規模災害が発生した際、迅速に同様の活動ができるよう関係機関との連携を維持する。具体的には、自治体と博物館、大学、ボランティア団体などで構成される岩手や宮城の連絡会議との連携を強化するほか、ほかの都道府県に対して将来の災害に備えたネットワーク作りを促す。