Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

記憶のドラマ 依田洋一朗 展

artscene2012-09-10


三鷹市美術ギャラリー


三鷹市美術ギャラリー

〒181-0013
東京都三鷹市下連雀3-35-1
CORAL(コラル)5階
Tel0422-79-0033
Fax0422-79-0030

三鷹駅南口直結

http://mitaka.jpn.org/ticket/120825g/


40歳の画家が描くニューヨーク40年の追憶



2012年 8月25日(土)〜10月21日(日)
【開館時間】 10:00−20:00(入館は19:30まで)
【会 場】 三鷹市美術ギャラリー

〒181-0013 東京都三鷹市下連雀3-35-1 CORAL(コラル)5階

【休館日】 月曜日(9月17日・10月8日は開館)、9月18日(火)、10月9日(火)

【観覧料】
会員=480円 一般=600円 65歳以上・学生(大・高)=300円
中学生以下・障害者手帳をお持ちの方は無料


【主 催】 (公財) 三鷹市芸術文化振興財団・三鷹市美術ギャラリー
【出品作品】 油彩89点


1972年、画家である日本人の両親のもと香川県高松市に生まれた依田洋一朗は、生後3か月から現在に至るまでニューヨークに暮らす。そこでは私たちが想像する以上に古い建物が次々と破壊され失われており、重機の音が途切れる日はない。依田は自らの生まれ育った風景がそのように消えゆくことに反発し、描くという画家として唯一の方法で抵抗を見せる。


古い劇場やホテル、食堂や遊園地を舞台にして描かれるのは、しかし単なる感傷や思い出ではない。そこにはまず建物そのものが持つ独自の記憶、場所の力があり、往年の映画俳優たちの記憶があり、そして画家自身の記憶と現実が重ねられている。それは忘れかけて半分捏造された夢のように、懐かしく、ときに奇妙に、ときにセクシャルに、まるで私たち自身の記憶の片隅を掘り起こすかのようにしてある。


父母と異なる国を故郷として暮らす依田の、失われゆくマンハッタンへの愛着が生み出したものは、おそらく画家の新たな故郷であろう。そこに立ち上がるのはただ懐かしいというものではなく、忘れようとした記憶であり、いつのまにか事実に姿を変えた妄想であり、未来の記憶でもある。そうした作品が私たちの感情を捉えるとすれば、それは単に一人の画家の記憶なのではなく、私たちの記憶に通底する深層を分かち持つ記憶であるからかもしれない。それをここで記憶のドラマと呼んでみたい。

本展は日本ではもちろん、画家自身にとってもはじめてとなる20年にわたる画業を振り返る回顧展です。一瞬の夢のような画面の先にある依田洋一朗の記憶のドラマは、ご覧いただくみなさまのそれに重なり、なにかを呼び起こすところがあるかと思います。どうぞごゆっくりご覧ください。


依田洋一朗 公式サイト http://yoichiroyoda.com/
協力 南天子画廊ウェブサイト http://nantenshi.com/