アッター湖畔のリッツルベルク
オーストリアの画家グスタフ・クリムトの風景画が5日までに、競売大手サザビーズがニューヨークで行った競売に出品され、4040万ドル(約31億6千万円)で落札された。作品は1941年、ナチス・ドイツがウィーンのユダヤ人女性から奪い、今年になって女性の孫(83)に返還されていた。オーストリアなどのメディアが伝えた。
落札されたのは、クリムトが15年ごろにオーストリア中部の湖畔の集落と山をモデルに描いた「アッター湖畔のリッツルベルク」。競売は2日に行われ、落札者は明らかにされていない。
絵の所有者だった女性は41年に移送先のポーランドの強制収容所で殺害され、絵は最終的にオーストリアの美術館が所蔵。7月にカナダに住む孫への返還が正式に決まり、孫が競売に出品した。