「開館60周年 シャルロット・ぺリアンと日本」展
神奈川県立近代美術館 鎌倉
「開館60周年 シャルロット・ぺリアンと日本」展
が開催されている。館を設計した建築家・坂倉準三が来日のきっかけとなり、その後の日本建築デザインに影響を与えたシャルロット・ペリアン。開館60周年に際してペリアンと日本を取り上げることで、建築・デザインの今を考える試みで(主任学芸員の長門さん)ある。
ペリアンは、1903年フランス・パリ生まれのデザイナー。建築、インテリア、家具など多岐にわたって手掛けた。1927年に出品した作品が認められ、建築界の巨匠ル・コルビュジエの事務所に入所し、ピエール・ジャンヌレらと共同して鉄やアルミニウム、ガラスなどの新素材を使用した住宅設備インテリアで話題となった。
1940(昭和15)年に、同僚だった坂倉準三の推薦で商工省の「輸出工芸指導顧問」として初来日。日本の伝統的な素材や技術を同時代の感覚と結び付ける試みに取り組み、1941(昭和16)年
「ペリアン女史 日本創作品展覧会 2601年住宅内部装備への示唆」(通称「選擇、傳統、創造展」)
を開催して絶賛された。この時、「竹製シェーズ・ロング」などの作品を発表。
「竹製シェーズ・ロング」1941年/1985年再制作、Cassina
その後戦争の影響でいったん帰国。1953(昭和28)年に再来日。東京にて
「芸術の綜合への提案-コルビュジエ、レジェ、ペリアン3人展」(1955年)
を開催。文楽から着想した椅子「オンブル(影)」をはじめ、違い棚をヒントにした書架「雲」など、自身の日本体験をデザインに生かした作品を発表し評価を得る。
5つの章で構成される同展では、家具、インテリアに関する図面、写真資料のほか、ペリアンが撮影した写真、交友のあった日本人との書簡など約500点を紹介する。ペリアンの日本で最初の展覧会が開催されてから70年、彼女が日本から多くの刺激を受け、同時に日本の建築、デザインに影響を与えてきた軌跡を知る機会になる。
神奈川県立近代美術館 鎌倉
〒248-0005
神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-53
鶴岡八幡宮境内
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/kamakura/access.html
鎌倉館、鎌倉別館には駐車場がございません。 公共の交通機関をご利用ください。
TEL 0467-22-5000
展示時間は9時30分-17時(入館は16時30分まで)
月曜休館(1月9日開館)
12月29日-2012年1月3日休館
観覧料金
当日一般900円。11月17日は開館60周年で無料開放。1月9日まで
11月12日と12月17日の14時からはギャラリートークも開催。