東京・根津美術館
開館70周年記念特別展
春日の風景 麗しき聖地のイメージ
2011年10月8日(土)- 11月6日(日)
休館日
月曜日 ただし10月10日(月・祝)は開館、翌11日(火)閉館
開館時間
午前10時‐午後5時
(入場は午後4時半まで)
入場料 一般1200円、学生1000円
*中学生以下は無料
会場 根津美術館 展示室1・2
奈良・春日山の西峰御蓋山(みかさやま)は古代より神の山として拝され、山裾の春日野は和歌に詠まれる名所でもありました。そしてこの地に創建された春日社の信仰は、神が鎮まる聖地のすがたを表す独自の絵画を生み出しました。本展覧会では、名品「春日権現験記絵」をはじめ、春日曼荼羅、伊勢物語絵そして名所図屏風に至る、春日の景観を描いた中世〜近世の絵画・工芸作品約35件を展示し、聖地、名所そして文雅の地である「春日」のイメージの展開と諸相をご覧いただきます。
主な展示作品
本社四殿の正面観を描き、その上の月輪に本地仏を示す梵字を表す本図は、初期の春日宮曼荼羅として貴重な遺例である。今回は、修理後初めての展観となる。
春日宮曼荼羅 日本・鎌倉時代 13世紀 奈良・南市町自治会蔵
春日社の社殿を俯瞰で描く宮曼荼羅の名品。その精緻な描写と美しい彩色は類品中の白眉といわれる。桜咲く春日野を貫く金色の参道が、見る者を本社へ誘う。本社と若宮社の上に表された本地仏が、神と仏の習合関係を示している。
春日鹿曼荼羅 日本・鎌倉時代 13〜14世紀 奈良国立博物館蔵
8世紀、武甕槌命(たけみかづちのみこと)は白鹿に乗って鹿島神宮を発ち、春日の地に来臨したと伝えられる。それゆえ春日信仰において鹿は、神の使者であり、神聖な動物とみなされる。やがて鹿は、春日野を表すモチーフとして、物語絵に添えられ、工芸品を飾るようになる。
春日権現験記絵 絵・高階隆兼/詞・鷹司基忠【巻第1)、鷹司冬基(巻第19)
巻第1・19(全20巻のうち) 日本・鎌倉時代 延慶2年(1309)頃 宮内庁三の丸尚蔵
春日社創建の由来や春日神の霊験(れいげん)を描いた壮大な絵巻。春日社の社頭や儀式、春日野の景観等を精巧に描く作風は、優美で拡張高い。本展では、近年修理を終えた巻のうち巻第1と巻第19の全容をご覧いただく。
室町八代将軍・足利義政遺愛の五面の硯箱のうちのひとつと伝わる。意匠は「山里は秋こそことにわびしけれ 鹿の鳴く音に目をさましつつ」という和歌の意味をあらわすが、月や鹿、秋草の茂る山などのモチーフから春日(春日山)がイメージされ、名称とされた。
伊勢物語絵 絵・住吉如慶筆/詞・愛宕通福筆 日本・江戸時代 17世紀 東京国立博物館蔵
伊勢物語は、在原業平をイメージさせる男の恋多き生涯を綴った歌物語。その第一段は「春日の里」が舞台であるが、その土地の様子を説明するテキストは本文に無い。しかし室町後期以降、春日社の神鹿が、春日を象徴するモチーフとして描かれるようになる。徳川将軍家の御用を勤めた住吉如慶の作品。
2011年10月22日(土)
特別講演会1「王朝人の祈りと憧れ-春日宮曼荼羅の世界」 白原由起子(根津美術館 学芸課長)
2011年10月29日(土)
特別講演会2「春日野の斎(いつ)く三諸(みもろ)」 花山院弘匡氏(春日大社 宮司)
2011年10月14日(金)
ギャラリートーク
2011年10月28日(金)
ギャラリートーク
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html
〒107-0062
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